2012 November

 

5Nov2012
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手話を最初に考案した言われるフランス人の神父、ドレペ神父様。今年は生誕300周年という事でパ リを中心にフランス各地でさまざまなイヴェントが催される。パリの現代美術館、ポンピドーセンターの中にある図書館で一ヶ月間に渡って催されるドレペ神父 生誕300周年記念展「A PLEINES MAINS」。「完全な手」・・・「手話があれば大丈夫!」というようなニュアンス。

 

5Nov2012
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オープニングのシンポジウムは「聾者とアート」。そしてその中に何故 暴力的な描写が多いのか、という難しいテーマ。パネリストは全員「聾者でアーティスト、または表現者」。聾の女優でモリエール賞の受賞者、エマニュエル・ ラボリさんの姿も。会場はほぼ満席の盛況で、フランス人の聾者がコレだけたくさん集まっているところに身を置くのは初めてなので気後れする。日本人はおろ か東洋人が誰も居ないせいか、主催者に促されて何故か最前列の関係者の席に・・・。「今日はTVも入るので」と。やはりどんな場面でもインターナショナル な雰囲気が必要なようで、私はその役割をよく理解して指定の席で「東洋人」の参加者、となる。司会者は健聴者でありながら手話を良く理解できる上、質疑応答では質問者をステージに上げルなどの臨機応変な采配が冴えていて感動する。何よりもその明るいお人柄にシンポジウムは大いに盛り上がる。

 

5Nov2012
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シンポジウムの後、会場を図書館内に移してオープニングセレモニーとパーティーへと続く。たった一 人の東洋人であり、フランス語の手話を殆ど理解出来ない私は気後れして帰ろうとしていたら、そこは関係者席!「もちろん行きますよね?」と身振り手振り で。お隣の健聴者のおじさまだけが頼りだったけれど、なんと彼はこの図書館の館長で「これから僕のスピーチ聞いてね」と、まぁ気さくな・・・。

 

5Nov2012
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これから一ヶ月間、手話を考案したドレペ神父にまつわるさまざまなシンポジウム がこの会場で行われる。ドレペ神父、および聾関係の書籍や、インターネットの検索ブースも設けられ、ココに来ればいろいろなことが一気に調べられるという 環境。その間、健聴者で手話のできる人がヴォランティアで常時数人居て、聾者と健聴者の橋渡しをするそう。館長のご挨拶は手話通訳が横に付く。そして聾者 の代表者のご挨拶は手話通訳が正面でその手話を理解しマイクに向かって話す。(写真)。さまざまな事が始めてで気後れしていた私も、その明るい雰囲気に圧 倒される。

 

8Nov2012
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INTERNATIONAL VISUAL THEATRE 、「IVT」は聾者の演劇関係者の間では有名な劇場らしい。私は芸術の中でも演劇はあまり明るくないので、聾関係以前に始めて知る事ばかり。パントマイム は聾者の演劇としてさまざまな可能性があることは、以前素晴らしいパントマイムの演劇を見て以来感じていた。聾の女優、エマニュエル・ラボリさんの芸術的 とも言えるダイナミックな手話表現とスクリーンの映像に助けられて手話を理解できない人も「なんとなく面白そう!」と引き込まれて行く。

 

12Nov2012
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パリ国立聾学校(INJS)の院長先生にようやく少し出来上がって来た、私のチャリティーの資料を 持って伺う。私の拙い説明を本当に熱心に優しくお聞き下さり、さまざまに「こんなアイディアはどうだろう?」、「こういう人をご紹介できますよ?」と、具 体的に助言を下さる。今月はド・レペ神父の生誕300周年の行事が目白押しで本当にお忙しいそうだけれど、数々のセレモニーに私が出席できるようにその場 で手配して下さる。

 

19-21Nov2012
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24Nov2012

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ド・レペ神父の生誕300周年の記念日、11月24日。各地でさまざまなセレモニーが行われている。生まれ育ったVersailles-ヴェルサイユの街ではド・レペ神父の像の前にたくさんの花束が。1843年に立てられたド・レペ神父の最初の像。この日のために各国の聾学校がこの街を訪れる。

 

24Nov2012
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同じ日、パリでもさまざまな記念行事がある。5区にあるパリ国立聾学院のすぐ近く、St-Etienne du mond サントゥ・エチエンヌ・ドゥモンド教会は1789年2月23日、ド・レペ神父の追悼ミサが行われた教会。ここではド・レペ神父の説明のガイドツアーが。私はこの教会のはす向いに7年も住んで居たので何とも言えない御縁を感じる。

 

24Nov2012
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2区のSt.-Roch サン・ロック教会はド・レペ神父が住んで居たムーラン街のすぐ近く、レペ家ゆかりのこの教会にドレペ神父の祭壇がある。午前中は盛大な追悼ミサがあり続いて「L'abbe de L'Eppe les sourds et Dieu」 ド・レペ神父ー聾者と神、という題目で講演会が行われる。とにかく大変な人で、神聖な雰囲気の中、TVクルーも大忙し!クルーの中には聾者のクルーも居て、先日のポンピドセンターでもお見かけした方も・・・。

 

27Nov2012

   
 
 
 
 
 
 
 
 

 

29Nov2012
 
 
 
 

 

 

page top 一ヶ月に渡り続いたポンピドーセンターのイベントも最後のシンポジウムとなる。芸術、とりわけ聾者 のアーティストが多い絵画や彫刻、演劇などを議題にしたシンポジウムが多かったけれど、最後は「聾者を取り巻くフランスの環境」といった内容。教育、医 療、人権問題など幅広く、手話通訳も分野によって人が変わり、やはりそれぞれにスペシャリティがある事を知る。この一ヶ月の間殆どのイベントとシンポジウ ムに参加したおかげで、さまざまな知り合いも増え、フランスの聾者の環境についてずいぶん勉強になった。何よりも、「生きる」という事に対する骨太なその スピリッツに感動する。 Charity top
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