2014 July
同じく塩沢湖畔にある旧朝吹邸、睡鳩荘へ。アメリカ人建築家、ウィリアム・メ レル・ヴォーリスが46棟作った別荘建築の代表的な一軒。フランス文 学者の 故、朝吹登美子氏が生前こよなく愛されたこの別荘。フランソワーズ・サガンの 翻訳でも有名な朝吹氏、階級社会を肌で知った方が翻訳されたこ とも日本でサ ガン文学がブームになった理由だと聞く。パリの母校の会ではヴェルサイユのお 宅にお招きを受けたり、パリー東京ー軽井沢と言うライフ スタイルが同じだっ たのでとても良くして頂いた。いつも本当にスケールの大きなお話を伺うのが楽 しみで、お話を伺った後は自分まで何だかスケール の大きな人になったような 気がした・・・。今はもうこんなスケールの方にはなかなかお目にかかれないのも 時代を感じる。 |
ワタリウム美術館で「ルドルフ・シュタイナー展 天国の国」を観る。Rudolf Steiner ルドルフ・シュタイナーはオーストリア・ハンガリー帝国出身の哲学者 であり、アントロポロゾフィー(人智学)の創始者。1919年にシュトットゥ ガルトで 始まった「自由ヴァルドルフ学校」は、シュタイナーの人間観に基ず いた教育で有名になる。その後「シュタイナー教育」として彼の世界で展開さ れ、 彼の思想を広める活動が行われるようになる。さまざまな活動の軌跡は興 味深い。私自身は一人の人の思想に基ずいた教育には抵抗があり、「私にとっ ての自由」は誰かの思想に基ずくことなく、「独創的なオリジナルな考え方」だ と思っている。 |
国立西洋美術館の「橋本コレクションー指輪:神々の時代から現代までー時代を 超える輝き」展のオープニングに伺う。橋本貫志(1924〜)の個人 コレク ションが西洋美術館に寄贈されたことを記念したこの展覧会。4000年前の古 代エジプトのものから現代のブルガリまでと幅広く、神戸ファッ ション美術館 所蔵の18世紀〜19世紀の各時代のモードと照らし合わせて見られるという企 画がとても面白い。 |
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現代美術のアーティスト、河原温氏が亡くなる。ワタリウムでシュタイナーの展 覧会を見ていたのも何かの縁?1983年、ワタリウムがまだ「ギャラ リー・ ワタリ」だった頃私は高校生だった。河原温氏の「One Milion Years」という展 覧会を見た事はおぼろげに覚えていたので、カタログの残部を見つけて思わず 買ってしまう。有名な「Date painting 」はリキテックスの単色画面に白の日付 け、その日の新聞を入れた箱に保存されている。「I am still alive 」と言う 電報を世界各地から発信するという作品も・・・。経歴も謎、公式の場に姿を現 す事もなく、作品を自己の言葉で語らない。1966年以降は本人の写 真もイ ンタビューも存在しないそう。あまりにもコンセプチュアルで、高校生の私には 衝撃的ですらあった・・・。 |