2016 April
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毎回膨大な数と量のフランス現代アートを展示しているパレ・ド・トウキョー、 まずは「Simon Evance」展を見る。さまざまなテキストをコラージュした作品は どれも大変興味深く、白く静かな展示が続く会場が印象的。手描きによるさまざ まなフ レーズやイラストが小さく描かれた膨大なメモをコンセプトに沿ってコ ラージュした作品。小さく静かでありながら、ユーモアに包んだ強いメッセージ 性を含んだ作品に感激する。仰々しく目立つ作品が苦手な私には「凛とした静け さの奥に潜む強い意志」のようなメッセージを感じる。 |
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パレ・ドトウキョーの展覧会はその規模に驚くことも多く、インスタレーション と一言で言ってもその大きさや細かさなど実際どのようにして再現する のか? と不思議になる。巨大なスケールで展開されている「DOUBLE JE」展を見る。直 訳すれば「ダブルの私」という事だけれど、これはFranck Thilliezの推理小説 を演出に仕立てたユニークな構成で、工芸やアートを作る現場=数々のアトリ エ、そこに関わる2人の作者は実は同一人物ではない か?つまり「ダブルの 私」・・・。 |
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カルティエ財団でコロンビア人の写真家「Fernell Franco」展を見る。フランコ の作品は20世紀前半に立てられ廃墟になったような建物や海岸の風景など、過 ぎてゆく時間を記憶に刻み込むように時おり 手書きの書き込みがあったり思い を自由に表現した小さな白黒作品。フランコは1942年生まれで階上に展示さ れている森山大道は1938年とほぼ 同世代。「カラーと白黒」、「大作と小 品」と作風の劇的なコントラストが印象的、でもその作品に込められた思いは意 外にも共通項があるのかも知れ ない・・・。 |
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再びポンピドーセンターにて「ジェラール・フロマンジェ」展をみる。作風は ポップだけれど当然のことながらアーティストとして気骨のある人であ り、数 年前、ベルリンの崩壊した壁の断片を使った芸術作品がオークションに掛けられ た時、ピエール・ベルジェ・エ・アソシエが落札したのがこの ジェラール・フ ロマンジェの作品。映画監督としての顔も持つ今で言う、マルチなアーティスト。 |
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ポンピドーセンターの地下に出来た写真専門のギャラリーで「Les Annees 1980」展を見る。同世代のフランス人の友人B氏と一緒に懐かしい80年代を振 り返る。80年代、高校生だった私はもうパリに行くことを決めていたので な お更その時のことが思い出される。国は違ってもこういうノスタルジックな気持 ちは共有できるものだと思うと共に、広告など「ヴィジュアル」の力 は言葉を 越えて印象に残ることを強く実感する。 |
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1991年3月にセルジュ・ゲンズブールがなくなってから25年、パリ3区の ギャラリーで写真家トニー・フランクが撮影したゲンズブールの写真展 が開催 される。それと期を同じくして彼が住んでいたこのサンジェルマン・デ・プレの 幾つかのギャラリーやレストランでゲンズブールを偲ぶ写真が飾 られる。サン ジェルマン・デ・プレに長く住んでいると、ジェーン・バーキンに郵便局で一緒 になったり、ゲンズブールの住んで居たアパルトマンの前 に車を止めたりして 何だか今も生きているかのような錯覚にとらわれる。 |
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恒例の春のソルフェージュのコンサートに伺う。今回はモーツアルトのみという プログラムが素晴らしい。一人の作曲家のみのコンサートはとても珍し いと思 う。プラハを旅した時に偶然手にした「Mozart in Prague」というCD をここのところアトリエでずっと聴いていたので、旋律がわかっ ているとコン サートがますます楽しめると実感する。ホルンという楽器の演奏を至近距離でみ たのはお恥ずかしいことに初めてだけれど、小さいのに 「菅」が最もながい管 楽器とか。 |
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母校で「盆石」の作品展を拝見する。黒塗のお盆に大小の石を置き白砂を配し、 羽や麻の小ぼうきやお匙、ふるいなどを用いて四季折々の情景を再現す る盆 石。黒と白との階調によって表現される枯淡な味と優雅な趣き・・・。世間では 盆石は貴族的な遊びのように思われてきたけれど、今では誰もが楽 しめる伝統 的な芸術となっているようでぜひ一度やってみたいと思う。盆石の先生にご紹介 頂き、お道具の説明などを拝聴する。 |