2019 Octobre
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和光ホールに「書業六十五周年 井茂圭洞展」を見に伺う。かなの第一人者であり文化功労者、日本芸術院会員と伺うと拝見するこちらも緊張する。かなには「至簡の美」「流麗の美」「切断(間)の美」「墨法の美」「余情の美」があると言う。余情とは要白、必要な白さを美しく見せるために書く、余白は書いて余ったところの意味であると。デザインナーの私にとっても多くを学ぶ展覧会、静かに書を味わう。 |
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思わずカルチャーにカテゴライズしてしまうブティック、DOVER STREET MARKET GINZAはコムデ・ギャルソンの川久保玲氏によるセレクトショップ。現代アートのギャラリーかと思う空間に商品かオブジェかわからないアイテムがインスタレーションのように並ぶ。その昔、銀座コマツだったことが信じられない・・・。 |
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軽井沢にある脇田美術館のミュージアムコンサートに伺う。森に囲まれた脇田和氏のアトリエ山荘を囲むように建つこの美術館、木漏れ陽も眩しく作品が並ぶ美しい空間にヴァイオリンとピアノ、テノールの歌声が響き渡る。コンサートの後は脇田氏の作品をゆっくり拝見し中庭のガーデンパーティーへ。何とも贅沢なコンサート。 |
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青山のグラスギャラリー・カラニスに「吉村桂子ガラス展ーうつりゆくー」を見に行く。ガラスでありながら陶器のようなぽってりとした質感と半透明な色のグラデーション、個性的な山の植物の組み合わせが美しい秋の訪れを感じる素敵な展覧会。 |
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日本橋高島屋に友人の彫刻家の展覧会「塩野麻理展ー装う彫刻ー」を見に伺う。30年もの昔、イタリア語講座でご一緒したご縁が長く続きとても嬉しい。大学で教鞭を取り定期的に作品を発表なさる、安定した制作活動にいつも刺激を受ける。作品それぞれに違う木のインスタレーション、彫刻のひんやりした質感と木のぬくもりのコントラストが美しい・・・、静かで心が洗われるような展覧会。 |
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西洋美術館に日本・オーストリア友好150周年記念「ハプスブルグ展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」のオープング、大変な人と錚々たる皆さまのご挨拶、注目の高さが伺える。ここ数年ウィーンに行く機会が多く、展示されている作品のバックグラウンドや街並みを思い出しつつ拝見する。ハプスブルグ家、マリー・アントワネット・・・、フランスとは深い繋がりがある大帝国、その文化的影響は今もパリの生活の端々に感じられる。 |
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松濤にあるギャラリーTOMに友人であるジュフロワ夫人による回顧展「アラン・ジュフロワ 詩を生きる」のオープニングに伺う。視覚障碍者が彫刻に触って鑑賞できる場として1984年、村山亜土・治江氏により創設されたこの美術館、毎回マニアックな展覧会が楽しみ。 |
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18歳でその詩をアンドレ・ブルトンに認められて以来、マルセル・デュシャン、ミロ、マグリットなど多くのアーティストと交流を深め、コラボレーションを実現しつつ、次世代のアーティストの偉大な擁護者であったジュフロワ氏。ポップアートをフランスにいち早く紹介し、5月革命に参加、政治色の濃いアート表現の企画も手掛け・・・。83年から85年の3年間、駐日フランス大使館の文化参事官として日仏文化交流に特別な力を注いだジュフロワ氏の生涯を彼自身の創作コラージュを通して偲ぶ素晴らしい展示に感激する。 |
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即位の礼の朝、台風並みの暴風雨の中、谷口吉郎氏の設計による葛西臨海水族園に行く。ドーム周辺には人工の水面、そしてその向こうに本物の海が見える。海の中に浮かんでいるような光景が何ともシュール。 |
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最も有名な「アクアシアター」は2200トンのドーナッツ型水槽を群泳するマグロ、ひたすら泳ぎ続ける姿に「マグロは泳ぎ続けなければ死んでしまう」というのは本当なのだと実感する。それにしても美しい・・・。 |
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「世界の海」のコーナーでは太平洋、インド洋、大西洋、北極海、南極海と世界中の様々な海の生物がエリアごとに観察できる。まるで「海の宝石」とでも呼びたいような色鮮やかな南国のお魚や貝、リアルな生態が真近くで見られるのも興味深い。 |
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国内最大級のペンギン展示施設にはフンボルトペンギン、イワトビペンギン、フェアリーペンギン、オウサマペンギンと4種類ものペンギンが生息、半地下に下がった場所からは水槽内を泳ぐペンギンの姿を横から眺めることが出来る。気持ちよさそうに泳ぐ可愛らしい姿に癒される。 |
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さまざまな海の生物を観察する小学生たちに交じって、大人たちの方が感動しているよう。正にド迫力のマグロの回泳、そのスピードと臨場感に大人も子供も釘付け。海洋映画「グラン・ブルー」そのまま、海の中に居るような不思議でファンタジックな空間体験。 |
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即位の礼の今日、暴風雨の中、妹島和代氏設計のすみだ北斎美術館に到着する。世界で最も知られる日本人と言われる浮世絵師、葛飾北斎(1760〜1894)、墨田区で生まれその生涯のほとんどを区内で過ごした北斎の移り住んだ地図や家系図、幼少期のエピソードから始り90歳で没するまで約70年に及ぶ絵師人生を辿るような展示が興味深い。工夫好きな楽しがり屋な北斎の人物像から画風も画号も大胆に変え続け、常に新たな絵画の創造を試みた生涯、その力強い絶筆にも驚かされる。CGにより各作品が細部まで見られる時代が来るとは北斎も思っていなかったのでは・・・?ダイナミックでスケールの大きな北斎の人生に思いを馳せる。 |
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青山から移転したギャラリー・ときの忘れものに「松本俊介と雑記帳」展を見に行く。桐生の大川美術館に作品の多くが収蔵されている聾の画家、松本俊介。恩師である寺田勝彦先生が館長を務めていらした時に伺いその作品の数々を拝見した。建築家、阿部勤氏の作品である個人住宅がギャラリー・ときの忘れものに・・・、何とも素敵なストーリー。 | page top |