2020 December

 

   
 
 
汐留パナソニックミュージアムに「分離派建築界100年展ー建築は芸術か?」を見に行く。大正時代、日本で最初の建築運動とされ大正9年(1920)から昭和3年(1928)まで作品展と出版活動を行って来た分離派建築会。結成から100年目の今年、変革の時代を鮮やかに駆け抜けた若き建築家の軌跡を振り返る濃密な展覧会。

 

 

 
 
 
大正時代に強烈なインパクトを持って現れた新星、とも言われた彼らが残した膨大な図面、模型、写真、映像の他に関連する美術作品の展示もその軌跡を読み解くには解りやすく、分離派建築会が希求した「建築の芸術とは何か?」日本の近代建築の歩みの中で果たした大きな役割に改めて光を当てた新鮮な切り口が興味深い。何よりもコンピューターの無い時代、全てが手描きで手動、そのエネルギーに感服する。

 

 

 
 
 
パナソニックミュージアムに来るもう一つのお楽しみは毎回テーマが変わるフランスを代表する20世紀の画家ジョルジュ・ルオーのコレクション。初期から晩年まで代表的な作品240点の収蔵品の中から今回は「ルオーとフォービズム」。フォーブとはフランス語で野獣の意味、1905年、サロン・ドートンヌに出品された一群の作品を批評家ルイ・ポークセルが「野獣が檻の中にいるようだ」と評したことから命名されたとか。象徴主義の画家、当時エコール・デ・ボザールの教授をしていたギュスターブ・モローがフォービズムの画家たちの指導者でアンリ・マティスも弟子のひとりと知る。一人の画家の作品を巡って、毎回そのテーマとそれに纏わる出来事を知る貴重な機会。

 

 

     
 
 
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