2022August

 

 
 
酷暑が続く中、表参道に友人のイラストレーターの展覧会を見に行く。会場を彩るポップで爽やかななイラスト、涼しいギャラリーで冷えたスプマンテのサーヴィスも嬉しく至福の鑑賞タイム。高校生の頃から励まし合って夢を叶えて来た私達、長い友情に感謝。

 

 
 
&まだ涼しい日曜日の早朝、下高井戸シネマで「私だけ聴こえる Only I can hear」を観る。耳の聴こえない両親から生まれた、耳の聴こえる子供達=CODA (Children Of Deaf Adults)。家では手話で、外では口話で話す彼らの葛藤をアメリカのコーダ・サマーキャンプを通して描いたドキュメンタリー。日本人の松井至氏監督のアメリカ映画。

 

 
 
ワタリウム美術館で「鈴木大拙展」を観る。禅の教えを世界に広めた伝道師であり、精神と物質の差異を無化する「霊性」という理念を提起して近代日本思想を刷新した鈴木大拙(1870-1966)、晩年アメリカの講義にはJ.Dサリンジャーやジョン・ケージが集ったという。大拙の教えは現代芸術の一つの源泉であり、後にヨーゼフ・ボイスやナムジュン・パイクの作品にも影響を与える。「霊性」を考える美しい展示、外は灼熱。

 

 
 
友人と旧碓井峠の見晴台まで久しぶりのドライブ。標高1200mの展望公園は長野県と群馬県の県境、浅間山、妙義連峰、南アルプス、八ヶ岳が一望できる。ノーベル文学賞を受賞したインドの詩聖タゴールが1916年(大正5年)に来日した際、軽井沢の三井邸滞在し日本女子大の学生に講義した記念に、生誕120年に当たる1980年に日本タゴール協会らによって建立された像や万葉集の歌碑もある。タゴールの言葉「人類不戦」が心に響く。

 

 
 
軽井沢全体の総氏神「熊野皇大神社」は県境を中心にお社が分かれ、二つの宗教法人が顕在する珍しい神社、群馬県側の氏神は「熊野神社」。西暦110年に創設されたというこの神社、ヤマトタケルノミコトが碓氷峠を通りかかると濃霧に見舞われ先が見えない中、ヤタガラスに着いて行くと無事登頂出来たと言う由緒記に思いを馳せる。

 

 

   
 
 
expo index 美しいお庭のある友人の美術館ルヴァンに「続・西村伊作の理想の学校 文化学院 戦後の復興と芸術教育の継承」を見に行く。溢れる緑と眩しい光が差し込む静かな空間で伊作氏の軌跡を辿り、さまざまな工芸作品を拝見する。若かりし頃の画家、脇田和氏の写真に生前を懐かしむ。 page top

home