Berlin |
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ベルリン市内を流れるシュプレー川の中州に新、旧博物館、旧国立美術館、ボーテ美術館、ペルガモン博物館の5つが集まっている。1823年〜29年にかけてドイツを代表する建築家であった、シンケルによって建てられた旧博物館。外観の巨大な大列柱の圧倒的な迫力。クーポールの内部のレリーフの美しさ、エントランスの光の差し込み方も素晴らしく、パリにはなかなかない詩的な「大空間」にしばし、うっとり・・・。
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Berlin |
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続いて、こちらも正に「壮大なスケール感」のペルガモン博物館。
ここにはトルコのギリシャ時代の遺跡が大量に収蔵されているため、ヨーロッパの人々にその人気は大変なもので、あまりの列にさすがに諦める。それにしても、正面も脇もファサードのデザインの壮大さには驚く。
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Berlin |
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NY、ヴェネチアとペギー・グッゲンハイム美術館はいつも注目している。現代美術の作家って本当にスゴイと思うけれど、今回は作家ご本人が、日々育つ「芝」のお手入れや、「土」の追加・・・・。インスタレーションの規模も大きい上にメンテナンスが必要とは・・・。本当に頭が下がる思い。私は、やはり「アーティスト」ではなく「デザイナー」であることを実感!
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Berlin |
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ジャン・ヌーベルデザインのベルリン・ギャラリー・ラファイエットを見に行く。異様な外観も印象的だけれど、中の吹き抜けは圧倒的な美しさ。ただその分、売り場は「吹き抜けの残り部分」と言う感じは否めず、各メーカーの洋服が「放射上」にラックに掛けてあって、とっても見ずらい・・・。
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Berlin |
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ドイツ最大の都市、そして首都として再び国際舞台に躍り出た感のあるベルリン。今や街自体が「建築博物館」と化している。車の窓から迫ってくる3本のスカイスクレーパー・・・。左から、レンゾ・ピアノ、ハンス・コロフ、ヘルムート・ヤーン、(ソニー・センター)というメンバーの豪華さ!この街区は「ダイムラー・クライスラー地区」と言うのも何だかゴージャス!
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Berlin |
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パリから来ると、ドイツは何となく「グルメ度」が低い。シャンパン好きな私は、ワインやビールはあまり頂かないし・・・。
でも・・・ドイツは世界で最も北に位置するワインの産地。緯度が高いため日照時間が少ないせいで赤ワインの色が出るほどには葡萄が色ずかないためドイツワインの9割が白ワインだそう。ライン、モーゼル、フランケン、バーデンの4種が有名らしく、ボトルも各々ライン=褐色のボトル、モーゼル=グリーンのスマートなボトル、フランケン=ボックスボイテルと呼ばれる丸いボトル、といった様に個性的。フランケンワインは主に「ロマンチック街道」沿いで作られ、ゲーテが好んだとか・・・。そういう歴史を知ると、なかなか奥が深く「ちょっと飲んでみようかしら?」コレが旅の醍醐味?お食事も「原型食品」しか頂かない私には、意外にもぴったりで子羊のグリルと色とりどりのお野菜、で大満足!
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Berlin |
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大好きな建築家、ミース・ヴァン・デル・ローエの作品、国立美術館へ。前回は父と一緒だった事を懐かしく思い出しつつも、何度訪れても本当に素晴らしい・・・!鉄とガラスを大胆に使ったシャープなデザイン・・・という稚拙な表現が恥ずかしくなるような圧倒的な美しさを誇るこの美術館。アレクサンドル・カルダーの彫刻も必見。
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Berlin |
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やはりヨーロッパの夏は夜が長い。20時といってもまだ陽が高く一日がとても長く感じられる。ダニエル・リベスキントの作品「ユダヤ博物館」へ。その異様な外観、内部の複雑な構造、および内装!「ユダヤの歴史」以前に、そのことに気をとられてしまう。でもこの建築のおかげで、ユダヤの歴史に興味のない人も訪れると言う意味では、「建築ーデザインの意味」を感じる。どこまで行っても複雑な内装は休むことなく続き、展示されている内容もとても重く、とても疲れてしまう。ずっしりと重い一日の締めくくりとなる。
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Berlin |
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ベルリンの初日は、新旧の建築を沢山見て、少々お腹いっぱい気味・・・。でも本当のお腹はぺこぺこで、ようやく長い一日を終えてのディナー、ベルリン最古のレストラン、「ツーア・レッツテン・インスタンツ」へ。ナポレオンやマキシム・ゴーリキーも常連客であったとのこと、またまたちょっと重め。名物のシュークルート(これをアイスバインと言うらしい)はパリでも良くあるけれど、その迫力はその比ではない!!前菜のソーセージで既にかなりの迫力・・・。建築とアイスバインでもう本当にお腹いっぱいの初日だった!
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Dessau |
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バウハウスの見学。写真は更新時に掲載します。 |
Potzdam |
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デッサウのバウハウスは父と訪れて以来、今回は主人と。2人の建築家のおのおの違う感想やバウハウスに対する解釈も、私は建築家ではない、デザイナーで、娘であり妻なのでとても興味深い。車で少し休憩もしたいし・・・と、静かな古都、ポツダムに寄る。日本人の私達には第2次世界大戦の対日終結に関する「ポツダム宣言」が有名だけれど、私には数年前、父と訪れたときに、この建築の造形があまりにも彫刻的で、デッサンをする方方もいて、ライプチヒの空港に滑り込んで飛行機に乗ったことを思い出す。サン・スーシー宮殿が有名だが2人とも訪れた事があったので今回はパス。
エーリッヒ・メンデルゾーンの素晴らしく「彫刻的」な、天体観測施設。何度見ても興味深い・・・・・。
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Berlin |
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デッサウでバウハウスを大堪能して、ポツダムではメンデル・ゾーンのアインシュタイン塔を。車でベルリン市内に戻ると、さすがにヨーロッパの夏らしく、まだ暑い!カフェのテラスで陽が落ちるのを待つほどの陽射し。そんな中、ピーター・アイゼンマンのホロコースト・メモリアルを見る。広場全面に無数に、かつ規則的に置かれた大小、高低様々なコンクリートのキューブ。ユダヤの歴史をこのように表現するとは・・・。アイゼンマンは私にとっては「難解」な建築家、と言うより哲学者に近いのだけれど、やはり・・・。そして、この表現・・・、現代美術に通じる「コンセプチュアルで哲学的な表現」に、本当に感動する。強い陽射しの中で、無数のコンクリートのキューブの間にはそれぞれの影が色濃く映り、その間を歩くと冷んやりした不思議な空気を感じる。そして自分が一体どこに居るのか、ふっとわからなくなる・・・。
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Berlin |
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刺激いっぱいのデッサウのバウハウスの後はメンデルゾーンのアインシュタイン塔・・・。
既にお腹いっぱいのところに来て、アイゼンマンのユダヤのインスターレーションとも言うべき作品。やっぱり、基本でしょう・・・と訪れたブランデンブルグ門。新旧のモダン建築の後だけに、何だかほっとする。
1788年から1794年にかけて建築家、ラングハンスがアテネの神殿の門をお手本に 造ったもので、ドイツ古典主義建築の代表とか・・・。門の上にある女神の乗った、古代ローマの4頭だての2輪馬車はカドリガと呼ばれ1806年プロイセン
軍を破ってベルリンに入城したナポレオンが戦利品としてパリに持ち帰ったが、1814年、ベルリン市民の声で取り戻された。第2次世界大戦で全壊したけれ
ど1957年と1990年に修復され、今の姿に・・・。ふぅ〜・・・。お勉強は続く!!でも、ヨーロッパにもう20年も居る私には「ベルリンの壁崩壊」のニュースを思い出す、既に歴史的な門になっている。父と訪れたときはまだ、東西ドイツだったのに・・・。
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Berlin |
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もうかなりお腹いっぱいのところに来て、大好きな建築家、クリスチャン・ドポルツァンパルクの設計による、在ドイツフランス大使館へ。主人が以前勤めていた時には、コンペの前で徹夜になっても「お寿司」を取って下さるなど、本当に良くして頂いたけれど・・・。それ以前に、私は彼の仕事の仕方、マスコミとの付き合いかたに、本当に多くを学んだ。ブランデンブルグ門前に超然と佇む・・・・。くしくも、ポルツァンパルクご本人の語り部のよう・・・。
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Berlin |
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ブランデンブルグ門の周辺には、またまた新しい建築が・・・。
DZ銀行のエントランス・・・・、エントランスだけにこんな過激なデザインが必要だったのだろうか?と、疑問符は付きまとうが・・・。アメリカに2ヶ月、建築探訪の旅に出たときに、ゲーリーの初期の作品は沢山見た。ドキュメンタリー映画も見たし・・・。スイスのヴィトラ美術館は何度も訪れているし、スペインのビルバオのグッゲンハイムも見た・・・。魅力があるのですよね、やはり・・・。私にとっては建築家であり、アーティスト。これはスゴイ事ではある、けれど、私は建築家としてはあまり好きではない・・・・。と複雑。
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Berlin |
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ようやく陽も暮れかかって、長い一日も終わろうと言うとき・・・。ベルリン市内を流れるシュプレー川のほとりに建つ、在ドイツ、オランダ大使館を見に行く。今をときめく建築家(こういう表現はあまり好きではないが・・・)オランダ人の、レム・コールハースの作品。レム様の作品にありがちな・・・あまりにも「多面体」なため、私のデジカメはゼンゼン追いついていなく・・・。多数の写真となる!こういう思考回路を建築に反映するって、本当に大変そう・・・。
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Berlin |
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長い長い2日目のドイツ。デッサウに行ったのは昨日?・・・・いえ、今日でした。ヨーロッパに居ると、本当に「車」の意味を感じる!今晩は国立エストニア芸大教授のA氏と久しぶりの再会。彼女のミラノ時代は一緒に展覧会をしたり、もう長い長いお付き合い。
私の好みをばっちり把握してくださっている彼女のチョイスは、ベルリン・文学クラブ?
のようなマニアックなところ。各文学賞などの選考や授賞式が行われるらしく、
アカデミックな雰囲気にすっかりくつろぐ。
お食事もとってもノーブルで、昨日の巨大なお肉の塊の話で盛り上がる!
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Bruno |
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早朝にベルリンを車で出発。9時にはもうチェコとの国境に到着。久しぶりにパスポートに珍しいスタンプ!以前に父と訪れた時には、まだチェコ・スロバキアだった。1989年のベルリンの壁崩壊、東西ドイツの悲願の国家統一、そして1993年にチェコスロバキアは解体・・・チェコ共和国とスロヴァキア共和国となる。私も長くヨーロッパに居る事を実感する。国境を越えたとたんにやはりぐっと「質素」な雰囲気になる。ドライブ・インで軽く朝食、と思っても通貨はチェココルナとハレーシュ。言葉も通じない・・・。私の倍くらいありそうないかにも東欧のオバサンが身振り手振りでコレはどう?ようやくお腹も少し(?)満たされ、一路、スロヴァキアとの国境に近いチェコ第2の都市、ブルノに向けてチェコを横断するように車を走らせる。チェコは東西で、ボヘミア地方とモラヴィア地方に分ける事が出来、ボヘミアの中心が、首都プラハ。モラヴィアの中心がブルノだそう。
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Bruno |
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ミースのチューゲントハット邸は次回更新時に掲載します。 |
Praha |
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長い間憧れていた東欧の街、プラハ。
この夏は体調を崩して日本に帰国する事が出来なかったので、41歳の誕生日はプラハで迎えることに・・・!
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Praha |
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スメタナの交響詩「我が祖国」で有名なヴァルタヴァ川がゆったりと流れる、本当に夢のような街。夕暮れの陽射し、正にガイドブックにあるような「黄金色」の陽射しを受けたカレル橋、西岸には14世紀以来のプラハ城、東岸には様々な歴史的舞台となって来た旧市街。連なる赤い屋根の家々が続く中、いくつもの塔が頭をのぞかせる。「百塔の街」と言われるのはそのため。「建築博物館の街」、「北のローマ」と、プラハを賞賛する言葉は多いし、長くパリに住んでいてもやっぱり「憧れの街」。14世紀、神聖ローマ帝国およびボヘミア王国の首都として繁栄を謳歌するプラハでは現在まで残るプラハ城や、カレル橋は既に造られていた。16世紀には魔術王の異名を持つ、ドルフ2世の元錬金術や占星術が盛んに行われたという。ロマネスクからゴシック、ルネッサンス、バロック、アールヌーボーと、各時代の建築物が正に「渾然一体」となった街並みは独特の雰囲気をたたえ、迷路のように入り組んだ細い石畳の道を歩くのは、本当に趣がある。しかし、ガイドブックを読むとプラハ美しいだけではなく、長い歴史の中でほとんど他国に侵略され続け、自国の自由を得られずにいた。それでも民族の誇りを失わず言語と文化を守り続けてきた気高い精神が、そして連綿と受け継がれてきた本当のヨーロッパが息ずいている。
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Praha |
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11世紀にはドイツ、フランスとの商業的関係の発展に伴い教会や商人たちの住居などが次次に立てられるようになってこの旧市街の広場が形作られて来たという。しかし、その後この広場は数々の歴史的事件の舞台となってきた。旧市庁舎前の地面に書かれた27の十字架。1620年のビーラー・ホラの戦いでハプスブルグ家に敗れたチェコの指導者達27名がこの広場で処刑されるというショッキングな事件があったが、これらの27の十字架はこのクビを置いた位置と言う生なましさ・・・。この広場を取り囲む建物郡は、ゴシック、ルネッサンス、バロック様式など、プラハの歴史に登場したほとんどの時代の異なる建築様式が混在していて、まさに歴史の生き証人となっている。チェコの英雄、ヤン・フスがこの広場のシンボル。
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Praha |
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旧市庁舎は様々な建築、装飾様式が混在しているが、細かい装飾のある扉はゴシック様式、壁面のスグラフィット装飾はルネッサン期のもの。この装飾技術は16世紀半ばイタリアからもたらされ、ボヘミア全土に広がったもの。木炭などで黒に色付けした漆喰を塗り、その上に石灰などの白い塗料をぬる、それが乾いたらその白い塗料を掻き削って装飾する。背景を削って下の漆喰の黒を出し、人物などを白く残す。繊細で精巧、その美しさは息を呑むほど・・・。この広場のシンボルでもある旧市庁舎はプラハには珍しく、ゼロから建設されたのではなく、数世紀かけて元からある建物増改築したり買い取ったりして出来たため、装飾様式も異なる時代の物が混在している。
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旧市庁舎の塔の下にある天文時計は、当時の天動説に基ずいた天体の動きと時間を表している。上が地球を中心に回る太陽と月、その他の天体の動きを示し、年月日と時間を示しながら1年かけて一周する、プラネタリウム。下は黄道12宮と農村における四季の作業を書いた暦、1日ひと目盛り動くカレンダリウム。プラネタリウムの両脇の人形は、それぞれ栄心、貪欲、死神、異教徒の侵略、という4つの恐れ、カレンダリウムの両脇の人形は歴史記録者、天使、天文学者、哲学者を表しているそう。この仕掛け時計の作者はプラハの天文学者でカレル大学の数学教授だったハヌシュという人物。
正午になると2つある円盤の両脇の窓が開き死神が鳴らす鐘の音とともにキリストの12使途が窓の中にゆっくり現れては消えて行く。コレを見るために、広場は大勢の非手埋め尽くされる!
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濃い濃い、プラハの一日。ディナーと言ってもやはりココはかつては東欧だった街。あまりグルメは期待出来ない。ドイツと近いということもあり、ザワー・クラウトの入ったポテトのパンケーキや、ハンガリー風のグーッラッシュを思わせるパプリカ風味のお肉のシチュウなど・・・。美味しい、と言うより・・・やはり素朴。なぜかウィーンのアドルフ。ロース設計のカフェを思わせる店内に何だかすっかりくつろぐ・・・。
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Praha |
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ヨーロッパの街はどこも夜景が美しいけれど、ここプラハの夜景は、まさにディズニーの世界!シンデレラでもどこからか出てきそうな雰囲気に、本当にうっとり・・・・。後数時間で・・・、私はシンデレラではないので、現実、41歳になってしまう。
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プラハの街は本当にロマンティックで、まるで「砂糖菓子」のよう。装飾も濃いし、その背景にある歴史も更に濃くて、少し圧倒され気味・・・。旧市街の真ん中のホテルのモダンな内装にいつになく癒される!
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Praha |
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「建築博物館の街」とも称されるプラハ、数百年を隔てた建築物が調和し、独特な景観をつむぎ出している。ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロック、アールヌーヴォー、キュビズム、と様々な時代の様式が正に「渾然一体」となっていることを、石畳を歩きつつ実感する。
?ロマネスク様式 : 10世紀後半から13世紀の様式で、厚く堅牢な石造りの壁に細長い馬蹄のような形をした窓が特徴。
この聖イジー教会はプラハ城内にある、城内最古の教会。10世紀に基礎が造られたロマネスク建築。ただこの華やかなファサードは17世紀に初期バロック様式で付け加えられた、とプラハの街らしい。
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様々な時代の様々な様式が渾然一体となって街を形成しているプラハでは、短い滞在では出会えない建築様式も出てくる。 ルネッサンス様式 : 15世紀から16世紀にイタリアから始まった古典復興の動きがルネッサンス様式。曲線を用いつつも端正、かつ華やかなデザイン。シュヴァルツエンベルグ宮殿がその例。
?バロック様式 : 17世紀初めから18世紀中頃、楕円や曲線を多用した派手ともいえる動きのあるデザイン、丸みのあるドーム、塔、などが特徴。旧市街の広場の片隅、聖ミクラーシュ教会がその様式。
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ゴシック様式 : 12世紀中頃から15世紀初めの様式。空を突き刺すように尖った塔が林
立し、天井が高く壁面のステンドグラスからは美しい光が。
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プラハ城内の第2の中庭から第3の中庭に入ると目の前に圧倒的な迫力で迫ってくる、聖ヴィート大聖堂。正に「威風堂々」の感のあるゴシック建築。14世紀から何百年もかけて完成したためルネッサンス様式やネオゴシック様式の要素も。ステンドグラスのデサインはチェコ出身のアール・ヌーボーの作家、アルフォンス・ミュシャによるもの。
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Praha |
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アール・ヌーボー様式 : 19世紀後半から20世紀初めにフランスで発祥し、プラハでも盛り 上がったミュシャを代表とする、花やつる草など生物の流れるような美しいフォルムを取り入れた装飾的で優美なスタイル。
?プラハを代表する華麗な建物、市民会館。歴代の王の宮廷があった跡。内部はアルフォンス・ミュシャなどチェコの芸術家達によるアール・ヌーボーの華麗な装飾が施されている。ミュシャによる感動的な「市長の間」は一見の価値がある。ミュシャはパリ時代の作品が有名だけれども、出身はチェコ。チェコではミュシャではなく「ムハ」。ミュシャの家族によって建設された、ミュシャ美術館もプラハ市内にある。
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Praha |
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キュビズム様式 : 1920年から14年という短い間に、ピカソやブラックなどの絵画で知られるキュビズムが建築に取り入れられたのは、世界でもチェコだけ。20世紀初頭のアバンギャルド運動の一環。
?「黒い聖母の家」というなかなかコワイ名前のキュビズムの博物館。建物の角に飾られている聖母像が名前の由来。ヨゼフ・ゴチャールの設計による建物で、1920年から19年にチェコで独自の発展を遂げたキュビズム絵画、彫刻、家具などが展示されている。
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Praha |
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プラハの街ならではの様々な時代の建築探訪(?)の後は、再び旧市街へ。モーツアルトが「ドン・ジョバンニ」を初演した事で知られる、スタヴォフスケー劇場。別名、エステート劇場。映画「アマデウス」はチェコ人の監督、ミロシュ・フォアマンの作品でココで撮影されたとか。本当に、「夢のようなオペラハウス」!
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Praha |
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Praha |
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誕生日と言う事をパスポートを見て知った支配人から、朝、フルーツの盛り合わせが届く。原型食品しかいただけない私に、まさにぴったりなプレゼント!朝食を頂くお部屋も何だか本当に濃い・・・。
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Dresden |
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プラハで、ロマンティックな砂糖菓子のような建物をたっぷり見た後、ベルリンへの帰路、ドレスデンに立ち寄る。「エルベ川のフィレンツエ」とも謳われたバロック芸術の都・・・とこちらはこちらで濃い・・・。第2次世界大戦で街全体が破壊されたが、統一後、今日に至るまで復興作業が続けられ、18世紀ドイツ・バロックの真珠とさえ言われる名建築がよみがえりつつある。現在はザクセン州の州都、とのこと。壮大なスケールのツヴィンガー宮殿は、建築家ポッペルマンと、彫刻家ペルモーゼルの共同
傑作というのも興味深い。ザクセン・バロック建築の代表作。やはり第2次世界大戦の無差別攻撃で、無残なまでに破壊されたが、統一後はいち早く復興が着手
され再建された。宮殿内に絵画館、陶器館、数学物理博物館、歴史博物館、自然博物館があるけれど、さすがにお庭を散歩するだけで充分。本当に!壮大なスケールに、旅の疲れも癒される・・・。
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Dresden |
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統一後のドイツでは第2時世界大戦の傷跡を徐々に修復しつつあるようで、このフラウエン教会もようやく修復を終えたところ。広場の周りは重厚な建物が多く、街全体が「お菓子の街」かと思うほどロマンティックなプラハと違って、何だか少しほっとする。
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Dresden |
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?ゼンパー・オペラからツヴィンガー宮殿に抜ける道が、ランガー・ガング通り。隣町の世界的高級陶磁器の産地、マイセン焼の壁画が続く。気が遠くなりそうなその長さとスケールも、パリにはない・・・。永遠に続く、エッシャーのだまし絵のよう・・・。
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Dresden |
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ゴットフリート・ゼンパーの設計から、ゼンパー・オペラと呼ばれるオペラ・ハウス。ワーグナーの、「さまよえるオランダ人」や、「タンホイザー」の初演もココという輝かしい歴史。1869年に焼失、第2次世界大戦で更に破壊、ようやく1985年に音楽の殿堂としてよみがえる。パリのオペラ座とはまたちがった趣き、そして、スケール!
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Berlin |
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プラハからドレスデンを経てようやくベルリンに戻る。誕生日と言うのに、やはりココはベルリン、アイスバインのレストランへ。冷えたリースリングに迫力のアイスバイン!付け合わせのシュークルートも大変なヴォリューム!私の倍はありそうなドイツオバサマがビールをガブガブ飲みながら・・・。何もかもが迫力満点!
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Berlin |
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最上階のドーム・ホールをノーマン・フォスターがデザインした銀行。銀行なのにこの空間のために22時まで見学が出来るというのもスゴイ。ようやく暮れた濃い色の空とのコントラストがとても幻想的。
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Berlin |
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最後のディナーも終え、友人のデザイナーA氏のアパルトマンを訪ねる。ベルリン市内のハンザフィエテルという地区にある、Inter BAU
1957(International Architecture Exhibision in Berlin)という1957年の国際建築博覧会のプロジェクトにお住まいで、この基本案はグロピウスによる物。デザインした建築家ごとに「アアルト・ハウス」とか「グロピウス・ハウス」と呼ばれていて、A氏の御宅はオスカー・ニーマイヤーデザインの「ニーマイヤー・ハウス」。まるで建築博物館にお住まいのよう!でも、A氏のアトリエがまた面白く、クリエーターのアトリエはやっぱりいつまで居ても飽きない・・・!
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Berlin |
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diary
index |
4泊5日のベルリン、 デッソウ 、 ブルノ、 プラハの旅も無事に終了。ヨーロッパに居ると、地続きなので本当に「車」の力を感じる。明日は朝一番の便でパリへ帰る。父と行った所に再び主人と行く、2人の建築家のそれぞれ違う感じ方を聞くというとても興味深い夏の旅となった!
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