2016 April

 

 
 
今年は復活祭(Pacques)のお休みが暦の関係で早かったので週末にかけて長いお 休みになる。タイヤもサドルも盗まれてしまった自転車が寂し く止まっている 静まり返ったサンジェルマン、カフェもこの時期こそ、と地下に埋蔵してある冷 蔵庫の大掃除。パリのカフェは地下に大小のカーヴを 持っているのも歴史を感 じる。車の止めやすいこの時期に引越しをする人も多く、通りに椅子やら鏡やら が並ぶ・・・。

 

 

 
 
パリのパーキング事情は東京に比べるとかなり厳しい。ましてこのサンジェルマ ン・デ・プレで自宅近くにパーキングを持つと言うのは正に至難の技! 馬車の 時代から変わらない都市計画の中に暮して居るのだから当然と言えばトーゼンな のだけれど。そもそもパーキング自体が少ないので我が家は目の 前にパーキン グがあるだけでもかなりラッキー。4年間貼り紙をし続けてようやく探し当てた パーキングロット、パリ郊外だったらワンルームくらい軽 く借りられる値段に もびっくり!しかし、そのオーナーが「息子が離婚して戻ってくるのでパーキン グが必要になって」とこれまたパリらしい事情で、 急遽再びの「貼り紙作 戦」、諦めかけていたところに携帯電話が鳴る。「首の皮一枚で」とか「綱渡り のように」と言う表現がぴったりな状況に良く出 くわすパリの生活、実はとっ ても疲れるのです・・・。

 

 

 
 
賑やかなサンジェルマン大通りからひとすじ入った静かなJACOB通り。パリ の中で最も文化的な通りと称する人も居るほどで、建築家ル・コルビ ジェが最 初に住んだのもこの通り。美しいフェルスタンベール広場にはフランスを代表す る画家、ドラクロアの最期のアトリエもある。サンジェルマ ン・デ・プレ教会 の裏は美しいRue de L'Abbaye、アベイ通り、つまり修道院通りが続き、夜が長 くなって来たこの時期、サンジェルマンをそぞろ歩くのも楽しい。

 

 

 
 
そんなサンジェルマン・デ・プレ教会の裏にひっそりある凝ったワインのブ ティック。デギュスタシオンと言って試飲も出来るのでとても楽しい。手頃 な テーブルワインを探すにもぴったりなこのブティック、高級ワインからテーブル ワインまで揃っているのに、そのさりげない雰囲気がとても素敵。

 

 

 
 
久しぶりにパリに居る週末、ホームのカフェやビストロにご挨拶に伺う。昨年の テロ以来、カフェのテラス席は本当に閑古鳥。週末と言っても夜は早 く、初夏 のサンジェルマン・デ・プレのシンボルでもある「カフェのテラスの華やかな長 い夜」はもう幻なのかも知れない・・・。早い時間だというの にもうクローズ の準備、シャンパンを頂きつつお喋りするも「早く帰らなくては」と気が急くの も、あのテロの夜以来。

 

 

 
 
 
かつて「パリの胃袋」と言われたレ・アール。ポール・シュメトフフ設計の以前 のフォーラム・デ・アールの老朽化に伴って2004年、改修工事のコ ンペが 開かれたけれど、改修案ではなく「破壊再生案」だという事で再コンペとなり、 結果パトリック・ベルジェ案が当選となったと言う。巨大な傘の ような「キャ ロ」と呼ばれるガラス屋根、ガラスタイルのヌラヌラした質感がなんとも不思議 な空間を作りだしている。目の前にはノートルダム寺院を モデルにっ作られた とも言われるゴシック様式のサントゥスタッシュ教会、そのコントラストもまた パリらしい。

 

 

   
 
 
我が家の下のカフェ、私にとっては応接間であり書斎?いつものカウンターでコ ンセントに繋いで頂くと早速PCモードに。でもあらら、お腹が空いて いる。 キッチンはもうクローズと言うので仕方なく諦めていたらシェフがクレープを焼 いて下さる。お砂糖とバターだけのクレープにレモンを絞ると素 朴で本当に美 味しい!何よりも皆さんの優しさが嬉しい・・・。

 

 

 
 
早いフライトのため夜明け前に空港に向かう。タクシーの中で夜が明けはじめ美 しい朝焼けに包まれての出発、本当に美しい・・・。乗り換えのスキ ポール空 港のラウンジの巨大さにはいつも驚くけれど、テレビブースが全てPCブースに 変わり、さながら巨大オフィス・・・。

 

 

 
 
 
 
 
帰国早々主人のゼミの卒業生T君の結婚式に伺う。横浜の山手西洋館の一つ 「ベーリック・ホール」にて、素晴らしいガーデン・ウェディング。アメリ カ 人建築家、JHモーガン設計によるスパニッシュスタイルを基調とした建物を バックに、鬱蒼とした緑に真紅のヴァージンロードと目の覚めるような 美しい ウエディングドレスの新婦が眩しい。披露宴では私も主人と一緒に祝辞という事 で少々緊張していたけれど、デザートの頃にはすっかりリラック ス、夢のよう なガーデン・デザート・ビュッフェ。T君の優しいお人柄に溢れた素晴らしいお 式に感激する。美しい奥様共々今後ともどうぞよろし く・・・。

 

 

   
 
 
 
  横浜の山手には実は一度も来たことがなく、高校生の頃ユーミンの歌を聴いてな んとなく憧れていた。せっかくなのでお式の後幾つかの洋館を見学す る。アン トニン・レーモンド設計によるエリスマン邸をはじめ外国人居留地の面影を残す 街並みや、元町公園、港の見える丘公園などをのんびり歩く。  

 

 

 
 
 
大正14年(1925年)から15年にかけて山手町127番地に建設された F・エリスマン邸。シーベル・へグナー商会の支配人でスイス人のエリス マンは チェコ人建築家、A・レーモンドに設計を依頼する。平屋建て和館付けで建築面 積81坪の洋館で、設計者A・レーモンドの師匠である世界的建 築家F・Lライト の影響が細かいデザインに見られる。昭和57年(1982年)マンション建設の ため解体されるも所有者であった氷川商事が横浜市 に寄贈したという。平成2 年(1990年)元町公園内の現在地に再現され、現在は見学と共に一階をカ フェのカフェでその空間を体験できる。冷たい コーヒーゼリーが何ともレトロ で美味しい、素晴らしいオマケの建築見学となる。

 

 

   
 
 
  主人のお誕生日の今晩、今年も穏やかに我が家で過ごす。卒業生に頂いたお皿や グラス、母の形見になった器をあれこれチョイスする時間も楽しく、シ ンプル なメニュー構成にしてゆったり過ごしたい。シャンパンで乾杯しつつ食べごろの チーズをアペリティフに。テーブルにはT君のウエディングから の美しいブー ケ、新婚の頃を思い出す。  

 

 

   
 
 
  母校の大同窓会のような催しに伺う。大変な暴雨風雨の後、晴れ上がった空に露 に濡れた新緑が美しい。文化財でもある桜の木の下で先輩方とお茶を頂 く豊か な時間。優しい先輩方に恵まれ、さまざまにお声かけ頂き、深く感謝申し上げま す・・・。  

 

 

 
 
diary index クリスチャンであった母の一周忌にあたる一年祭、牧師先生の司式のもと賛美歌 を歌う。時の流れの不思議さを感じることが多かったこの一年、また新 しい年 を迎える。軽井沢の桜は今が満開・・・。 page top

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