2019 November

 

   
 
 
11月に入るとクリスマスや新年のスケジュールが埋まり出し少々焦る。今年一番のクリスマスパーティー?主人のゼミの初期OBOGが集る今晩、次々にケータリングが届き相変わらずの大所帯。皆さんの近況報告も今ではすっかり人生本番・・・。

 

 

 
 
 
11月最初の日曜日、万聖節の礼拝に伺う。清々しい朝の空気にオルガンの前奏が静かに流れる中、心静かに母を思う素敵な時間。聖歌隊の素晴らしい歌声とパイプオルガンの重厚な音色、賛美歌を歌うと楽しかった教会学校の思い出が蘇る。

 

 

 
 
主人の大学の学園祭に伺う。毎年のことながら皆さんの若さ溢れる作品や展示に刺激を受けつつ、CGや3Dプリンターなど技術の進歩がクリエーターの可能性を広げていることに驚く。お庭でゼミ生の方々とお喋りをしたりお菓子を頂いてすっかり和む。

 

 

 
 
私がパリに着いた頃、モード業界はマルタン・マルジェラの新しいショウのスタイルの話題一色だった。パリコレのショウ自体が「既成概念」という若いデザイナー達が思い思いに形で作品を発表し始め、ルーブル宮のテントではない街のカフェやディスコがショウの会場になったもの。今や伝説のデザイナーになった感のあるマルジェラのブティック、工場の跡地のような場所に現代アートのようなディスプレイ、数年前のパリ・モード美術館の展覧会を思い出す

 

 

 
 
 
11月に入るとクリスマスのデコレーションが始まり、打ち合わせに行く先で美しいイルミネーションが楽しい。恵比寿ガーデンプレイスも恒例のクリスマスツリーとバカラのシャンデリアがお目見え、澄んだ空気にクリアな輝きが眩しい。

 

 

 
 
 
クリスマスの納品や打ち合せが続き一足早く年末気分の私達。友人のご実家のお菓子をお味見し方々打ち合せは続行・・・、老舗の和菓子と香ばしいエスプレッソの組み合わせが新鮮。

 

 

 
 
 
とっぷり暮れた銀座の街、外国人の姿も多く和光の前ではフランスのテレビ撮影が・・・。仕事そっちのけでウィンドウに見入っているクルー達!

 

 

   
 
 
クリスマスの納品も佳境、再びアトリエから出ない日々が続く・・・。パーティーシーズンも始まりお客様の装いに少しでもお役に立てればこんなに嬉しいことはない。そんなシーンを思い浮かべつつ検品作業にいそしむアトリエの夜。

 

 

 
 
ようやく納品も一段落、久しぶりに軽井沢へ。月夜の森の匂いに癒され、眩しい光の澄んだ空気ですっかりリフレッシュ。色ずいて来た木々を眺めつつまずは朝のコーヒー、自然の織り成すタピストリーのような景色を楽しむ。

 

 

 
 
11月になると軽井沢スキー場がオープン、早速今シーズの初滑り。風をぬけて白い斜面にシュプールを描く気持ち良さはやっぱり格別、爽やかな森の匂いを満喫出来るのもこの季節ならでは。

 

 

   
 
 
スキーシーズンのスタートと入れ替わるように軽井沢の美術館は冬期のお休みに・・・。脇田美術館に今シーズン最後の展覧会を見に伺う。吉村順三氏設計のアトリエを臨む中庭もすっかり秋の気配。

 

 

 
 
友人のブティックもそろそろ冬支度、紅葉した木々を大ぶりに活けたエントランスと暖かみのあるウッデイなインテリアが何とも素敵・・・。

 

 

 
 
 
快晴の浅間をバックに白いピストが広がる朝、東京に戻る前にもう一滑り。午後の打ち合わせにも充分間に合う、こんな事が出来るのも軽井沢ならでは。

 

 

 
 
東京に戻るとそのまま打ち合せに直行、パリで使う布地の下見に。東レをはじめ日本のテキスタイルのレベルは本当に高くその性能も素晴らしい。撮影に使う布は「シワにならず透けない」がマストな条件、あらゆるサンプルを見せて頂き感激する。

 

 

   
 
 
パリに戻る前にもう一つの一段落は経理・・・。苦手な数字とにらめっこも致し方なく、ようやくまとめて送り出すと気分はもう決算!

 

 

   
 
 
東京もパリもクリスマスの納品で大変なこの時期、検品作業が延々と続くアトリエ。久しぶりの徹夜も華やかな気分のせいか?何だか元気。朝にはもうパリへ出発しなくては・・・。

 

 

 
 
 
徹夜明けの早朝、まだ明けきらない東京を後に・・・。少しずつ明けて行く空はいつも美しく、爽やかな眠さもいつもの事。ぼんやりコーヒーをすすりつつ空港まで移動する間にスイッチが切り替わる。

 

 

   
 
 
羽田空港の拡張と充実ぶりに反比例するような成田空港。ラウンジもデルタが一括、そもそも路線が少ないのか?朝だというのに誰も居ない・・・。ゆったり新聞を読みつつミールサービスを楽しむには素晴らしいけれど、パリのシャルル・ド・ゴール空港のごった返したエールフランスラウンジが懐かしい。

 

 

   
 
 
久しぶりに満々席のエールフランス、顔なじみのクルーとお喋りをしたり雑誌を読んだり。機内で過ごすのんびりした時間はエアーポケットのようで時おり窓の外を眺めると美しい雲海が広がる。

 

 

   
 
 
アトリエ用に預けたオーバーサイズ・ラゲージ、ごった返すバッゲージ・クレームを抜けてひっそりとある別のカウンター。そして誰も居ない・・・、延々と待ち続けるのもパリらしい。

 

 

 
 
ようやくオーバーサイズ・ラゲージを受け取り市内に向かう。ピリッとした寒さが既に冬の気配、西日に細い橋脚のシルエットが美しく映えパリに戻って来た実感。UFOのようなターミナルもすっかり空港の景色に馴染んで。

 

 

 
 
空港から高速に乗った途端始まった大渋滞、今日のパリ市内は郊外線のストとデモで大混乱とか。市内に入った時にはもうすっかり夜、動かない車から久しぶりにパリ見物?2時間以上かかってようやく我が家に到着。

 

 

 
 
 
パリ市内の「車締め出し」対策は加速し、あらゆるパーキングロットがベリブ(貸し出し自転車)の駐輪場やオートリブ(電気自動車)の充電ターミナルになっている。縦列駐車のテクニックも上達するというもの、しかし「コレでよし!」とエンジンを切ると今度は工事現場の足場に阻まれ出られない。

 

 

 
 
雑誌やカタログの撮影で使ったものが蚤の市のように並ぶブティック、ヴィンテージのジアンやバカラ、どこかの貴族のイニシャル入りカトラリーセットなど見ているだけでも楽しい。その昔友人がカーヴから出てきた燭台にある銀職人のサインを見つけて売ったところ、スイスに別荘が買えた・・・というウソのような話を思い出す。

 

 

 
 
 
21歳の頃に働いていたブティックがあったヴィクトワール広場、ルイ14世の騎馬像を見るたびにあの頃のことを思い出す。パーキングロットが激減する中、広場だけは平和なはずが・・・。

 

 

 
 
馬車の時代から変わらない石畳を維持するには、それなりの代償は当然のこと。ここもまたパーキングロットは資材置き場と化している・・・。

 

 

 
 
クリスマスのイルミネーションも始まり美しいギャラリー・ヴィヴィエンヌ、この広場で働いていたころよく来たサロン・ド・テは今も健在。ヴィンテージのブティックのマダムも古本屋のムッシューも変わらずお元気で何より。

 

 

 
 
ヴィンテージのブティックのマダムと久しぶりにお喋り、「MOMIにぴったりなサイズのローブがあるのよ」と。36サイズのサンローランはボルドー色のベルベット、同じく36サイズのマルタン・マルジェラはストレッチ素材でアンシンメトリーなシルエット。どちらも悩ましくパーキングメーターに追加料金をクレジットしつつコーディネートを考える。

 

 

 
 
 
パリで車を運転していると言うとたいていのフランス人に驚かれる、それほどパリの人々の運転は荒い。更にはほぼ一年中公共工事が延々と続き、あらゆる道が「仮一方通行」に・・・。観光バスもひしめき合って私の小さな愛車はかろうじて押しつぶされないようにソロリソロリと前進する。

 

 

 
 
アトリエの天井はあまりにも高く既成のカーテンでは足りずやっぱり自分で作ることに。膨大にある薄いグレーのバリエーションの中から迷った甲斐もあってイメージ通りの雰囲気、高さがあるので緩くドレープも出て天高が強調されて大満足の仕上がり。

 

 

 
 
長い間居なかったので週末はたくさんの友人達と一気に会うことに・・・。最近、サンジェルマンに引っ越して来た友人から「キッチンが出来上がったからお喋りしながら一緒にケーキを焼かない?」と楽しいお誘い。ケーク・サレ(塩味のパウンドケーキ)とガトーショコラをオーブンに入れて、焼きあがる間にサラダやピューレを作る。話題は旅に始まりモードからボーテ、そしてフランス人らしく「人生!」・・・と、お喋りは尽きない。

 

 

   
 
 
ようやく時差もリセット、忙しいパリの日常が始まる。日本と違って「全てがスムーズに行かない」・・・。一日何回も「ダイジョウブ」と自分に言い聞かせるのも帰って来た実感、旅で滞在するのと暮らす事がこれほど違うのもまたパリ。久しぶりのホーム、ビストロらしい暖かな雰囲気にほっと一息。

 

 

   
 
 
気分転換にアニエス・べーのブティックに立ち寄る。私が高校生の頃、初めて買ったMADE IN FRANCEはアニエス・ベーのカーディガンだった。その頃からもはや40年・・・、今も変わらない安定感のあるコレクション。パリの人々の定番とも言えるシックでロックンロール、大好きなブランド。

 

 

   
 
 
気分転換にアニエス・べーのブティックに立ち寄る。私が高校生の頃、初めて買ったMADE IN FRANCEはアニエス・ベーのカーディガンだった。その頃からもはや40年・・・、今も変わらない安定感のあるコレクション。パリの人々の定番とも言えるシックでロックンロール、大好きなブランド。

 

 

 
 
パリの地下鉄もいよいよ東京のようにセキュリティのためのホームドアが設置される。この工事のために各駅は半年以上23時以降はクローズ、週末も工事で閉まっている駅も多くまだ設置されていない駅もあり、全て一斉にとはいかないのもパリらしい。

 

 

 
 
毎年この時期は手続きのためお役所通い。車検証も滞在許可もパリ市内在住の人々は全てお世話になる警視庁、最近はすっかりおしゃれになってまるでギャラリーのようなエントランス、私が初めて滞在許可証の申請に行った32年前のPOLICEを思い出すと隔世の感がある。

 

 

   
 
 
 
 
パリではデザイナーがチャリティー財団を設立したり、リサイクル活動も盛んで私のところにもさまざまな依頼やお誘いが来る。かつてパリ市内を運行していた環状鉄道=プティット・サンチュールの古い駅舎を改装して、カトラリーからインテリアまでリサイクル物資のみでオーガナイズされたカフェ「リサイクルリー」。リサイクル関係のワークショップや講演会などのイベントも興味深い。プティット・サンチュールの線路を眺めながら古き良き時代のパリに思いを馳せる。

 

 

 
 
 
パリに着いてすぐ、32年前からの古い友人D氏のアトリエを訪ねる。あの頃は皆若くしょっちゅう集まっていたので私にとっても思い出深いアパルトマン。当時は廃墟のようでそれはそれでカッコ良かったエントランスも今ではすっかりモダンなエスパスに。

 

 

 
 
 
久しぶりにポンピドーセンターに行く。障碍者用のエントランス工事が続き現場の仮囲いもファサードデザインの一部のよう。オープンした当初は建築模型かプラモデルのような外観に賛否両論あったこの建物ももう40周年。ミュージアムとしてはもちろん、アーカイブとしても他に類を見ないユニークな存在。訪れるたびに何か発見があることもデザイナーの私にとっては貴重な場所。

 

 

 
 
ボジョレーヌーヴォーの今晩はエントランスでコンサート、ライブラリーでは討論会と盛りだくさん。テレビのクルーがセッティングしながら次々にボトルを開け入場者に配り始まる前からお祭りのような大騒ぎ!

 

 

 
 
 
みぞれも降る寒い今晩、メトロ・レ・アールまで歩く。美しいサン・エチエンヌ・モンド教会を眺めると目の前にはパトリック・ベルジェ設計のフォーラム・デ・アールが迫って来る。ルーブル宮のガラスのピラミッドのように、古い街並みにモダンなデザインを組み込むのが上手なフランス人。このレ・アールの設計コンペも紆余曲折の結果ようやく竣工まで漕ぎ着けたけれど・・・。

 

 

 
 
 
我が家の下のカフェも今夜はボジョレーヌーヴォー。寒くてもとにかくテラスが好きなフランス人、グラス片手にお喋りに花が咲く。11月の第3木曜日がボジョレーヌーヴォーの解禁日、この日を境にクリスマスのイルミネーションが次々に点き冬の始まりを告げるセレモニーのよう。
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友人のドクターと久しぶりのディナー、ご自身のカンティーヌ(食堂)と呼んでいらっしゃるいつものレストランへ。サンジェルマンから出ることがあまりない私には嬉しい遠出?この時期はどのカルティエも思い思いのイルミネーションが美しく思わず車を止めてパチリ。レストランのエントランスは控えめながらシックなクリスマス。

 

 

   
 
 
コルビジェがスイスのショードフォンからパリに来て最初に住んだアトリエは我が家のすぐ近く、パーキングロットが激減するサンジェルマンでは貴重なエリア。長い通りに唯一あるパーキングメーターでチケットを買うたびに「この扉をコルビジェが通ったのだ・・・」と思う不思議なアドレス。

 

 

 
 
サンジェルマンのクリスマスイルミネーションも次々と始まるこの週末、長いハシゴが付いたクレーン車のような車に乗った職人さんが街路樹や建物に一つ一つ手作業でイルミネーションのコードを括り付けて行く。渋滞に拍車がかかるのもこの時期、夕方のまだほの明るい青い空をバックにまるで天の川のよう。

 

 

 
 
膨大なアドミストレーションをストやデモにもめげずにこなした今週、大げさではなく「日本の5倍時間がかかる」といつも思う。友人のお宅にディナーに伺うも金曜日ということもあり途中の「イルミネーション渋滞」は凄まじく、またしても5倍の時間がかかる・・・。

 

 

 
 
 
グラフィックデザイナーの友人、Dご夫妻と久々にお会いする。パリ市内に一戸建ても珍しいけれど建物全部を買い取って丸々改装するという壮大なプロジェクト。その仕上がりは細部に至るまで完璧でまるでショウルームのよう。いつものようにオードブルからチーズ、デザートに至るまでお心尽くしのフォトジェニックなディナーに感激。夏の間に田舎の家で作ったというハーブティーや食後酒をいただきながらお喋りの夜は更ける・・・。

 

 

 
 
サンジェルマンのイルミネーションはシック過ぎて少し寂しい・・・。それでも皆さん車を止めてスマホで撮影、クラクションが鳴り響こうがお構いなしにのんびりと!クリスマスのヴァカンスが始まるまでパリ市内はイルミネーションとクラクションでごった返す。

 

 

 
 
パリ最後の夜はいつものようにホームのイタリアンで友人とくつろぐ。オーナーのお取り計らいで季節のメニュウをそれぞれ小さなポーションで出して頂く。サンジェルマンらしい隠れ家のようなこのリストランテ、お客様に驚くような大女優が居てもその温かな雰囲気は変わらない。心地よい距離感は「ゆるやかに結びついた絶対的な信頼」あってこそ・・・。

 

 

 
 
  パリの朝、この季節は夜明けが8時くらいなのでまだまだ暗い。空港で離陸を待つ間に空が白く明けてくるのもおなじみの光景、ターミナル1と同じくポール・アンドリュー設計のターミナル2F。二十数年前のオープンから変わらぬ美しさを保っている事はこの国では奇跡に近い・・・。  

 

 

 
 
パリはストやデモでとにかく全てが予定通りに進まない。帰国便は日本でのアポイントを考えるとオランダ経由で時間がかかっても「ストがない」KLMをチョイス。広大なスキポール空港はこれだけの広さでも滑走路には各国の機材がひしめき合っている。ラウンジに至ってはどこまでも続くロビーのよう・・・。

 

 

 
 
 
KLMオランダ航空は2019年10月7日に創立100周年を迎えたとのことで、アムステルダム・スキポール空港は全面的にリニューアルされている。新しいラウンジはデルフト焼きの家々が並ぶエスカレーターを上がると広大なスペースにさまざまなタイプの個室やパブリックスペースがレイアウトされている。ミールサービスはキッチンにシェフまで居て、どこぞのホテルどころかテーマパークのよう。

 

 

     
 
 
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