2022August

 

 
 
8月に入ると軽井沢も夏シーズン本番、友人たちも続々と到着。テラスでランチの後は森の中を歩いて幼馴染みの家へ。これと言って予定を立てず、何をするでもない他愛ないお喋りこそ軽井沢の夏のお楽しみ。

 

 
 
美しく暮れていく空を眺めつつ旧道まで歩く。お気に入りのブティックを覗いたり、古本屋さんでヴィンテージの洋書を探したり、軽井沢の夏が始まった実感。

 

 
 
今年は軽井沢も暑く木々が焦げるような灼熱、陽炎でも見えそうな日照りの森林を抜けプリンスまでウォーキングに行く。広大な緑の照り返しでハレーションを起こしそう。

 

 
 
夏シーズンに入って初めてルヴァン美術館に伺う。テラスでお茶を頂きつつ次々に登場する友人達と近況報告。美しいお庭と涼し気な美術館、イギリスの庭園のような光景に癒される。

 

 
 
東京に戻ると異様な暑さに驚愕としつつ青山に友人の展覧会を見に行く。涼しいギャラリーでシャンパンを飲みながら可愛らしいイラストを眺める至福の時間。コロナ以来青山の夜は早く19時でガラガラ、打ち合わせをするカフェを探すのも一苦労。

 

 
 
フランス人の友人が大好きな西荻窪のアンティーク通り、友人の案内で初めて訪問する。個性的なお店が続きまるでパリの蚤の市のよう。さまざまな骨董品や雛道具、伊万里の豆皿などいつまで見ていても飽きない。

 

 
 
中央線に一駅乗って友人の地元、阿佐ヶ谷を歩く。古材と土壁で出来た趣のある佇まいの小劇場「ザムザ阿佐ヶ谷」は稽古場や撮影場所として貸し出しもしているとか。演劇人の友人の話は興味深く、演目も個性的でパリの小劇場の様。

 

 
 
 
ゴトゴトと世田谷線が走り京王線が交差する街、下高井戸。線路の脇を抜けると普通のマンションの一階にある「下高井戸シネマ」が見えてくる。岩波ホールも閉館になった今、見逃した作品を見られる貴重な名画座。日曜日の早朝、「私だけ聴こえる」を観る。

 

 
 
日曜の朝は都内も空いていて気持ちの良いドライヴ、青山のワタリウム美術館に「鈴木大拙展」を見に行く。鑑賞後は興味深いブックストアとカフェで寛ぐ。竣工当時と変わらない美しいファサードは今や青山のランドマーク。

 

 
 
 
筆記具とインクのマニアックなお店、ヴィンテージの万年筆とオリジナルのインクが一堂に並ぶディスプレイも圧巻。インクシリーズ「新宿5景」は副都心ブルーやゴールデン街セピアなど、個性的な色とネーミングも興味深い。外は灼熱・・・。

 

 
 
8月も半ばになると軽井沢もシーズン真っ盛り。今年は3年ぶりに行動制限のない夏、外国在住の友人達も次々に帰国し我が家のテラスで3年ぶりの再会を喜ぶ。夕暮れのスコールが上がると庭先にカモシカが現れる。ぬいぐるみそのままの姿と愛らしい目、いったいどこに行くのだろう?

 

 
 
朝の森林を抜け、友人のポップアップ・ギャラリーに伺う。森の緑をバックに美しい色彩の絵が並ぶ涼やかな空間、眩しい光に疲れた目もほっと一息。パリから帰国中の幼馴染みと久しぶりの再会も嬉しい。

 

 
 
軽井沢ではいつも我が家か友人の家、観光名所にはおよそ縁がない。友人と久しぶりに何処かに行こうと、旧碓氷峠の見晴台へ。長野県と群馬県の県境にある展望台からの眺めは素晴らしく、パワースポットとして人気の熊野神社まで歩く。

 

 
 
雲一つない空が暮れ、紺青の空をバックに山や木々が浮かびあがる幻想的な景色が広がるプリンスガーデン。友人とテラスでディナーを楽しむ。イルミネーションが遥か遠くまで続き、光の絨毯のように美しい。

 

 
 
久しぶりにゆっくり軽井沢にいる夏、母の部屋をまた少し整理する。ミニマルやシンプルとは程遠い、「満艦飾」な母の部屋。個性的な小物たちはいったいどこで買ったのだろう?集めていた缶を開けると中には更に個性的な小物、まるでマトリューシュかのよう。

 

 
 
軽井沢は意外なほど肌寒く、例年テラスでランチが出来るのはひと夏で数えるほど。今年は本当に暑い日が続き延々とテラスで過ごす日々。スキーメイトの友人と今シーズンのスキー計画を練る。秘密の森で久しぶりに記念撮影。

 

 
 
夏の間、公民館で開かれている「軽井沢 骨董市」。アクセサリーから壺や箪笥など、ありとあらゆるモノがあり掘り出し物を見つけるのも楽しい。3年ぶりの骨董市は心なしか閑散としていて少し寂しい。

 

 
 
3年ぶりに会う友人も多く、我が家のテラスは毎日カフェのよう。軽井沢らしくシンプルで飾らない「アイスコーヒーとアップルパイ」が定番のおもてなし。何よりものお楽しみは、森の匂いに包まれてのんびりお喋りする時間。

 

 
 
お盆でごった返す軽井沢から空いた東京へ戻ると尋常でない暑さ、涼しいお部屋でひたすら大整理にいそしむ。ガラス食器や漆器、丁寧にお手入れして欠けや傷を確認しておくとお客様の時に慌てない。何事も「準備と整理」、母の言葉が蘇る。

 

 
 
3年ぶりの行動制限のない夏、早朝の羽田空港は予想以上の大混雑。満席のJALで高松空港まで1時間ほどのフライト、曇天を抜け海を渡ると青空の下に緑に包まれた四国が見えて来る。

 

 
 
打合せの帰り「HIROO HAWAIIAN DAYS」に立ち寄る。有栖川公園のエントランスには数々のフラワーワゴンが並び、ハワイの特産品のコーナーは甘いココナツの匂い。80年代に流行ったムスクやコパトーンの匂いを思い出し、しばしハワイ気分に浸る。

 

 
 
西荻窪のアンティーク通りの骨董品店に古伊万里や藍染めの器を見に行く。友人に紹介された店主の蘊蓄も興味深く骨董の奥深さを知る。お客様の多い我が家にぴったりな染付けの大皿やワインクーラーになりそうな火鉢など、美しい和の染めを堪能する。

 

 
 
軽井沢に戻ると早速バーベキューの支度、テラスでゆっくりランチを楽しめる日もあと少し。カボチャやジャガイモはあらかじめボイル、サラダはドレッシングで和えてマリネ風に。下ごしらえがキッチンに立たなくて良い秘訣。

 

 
 
我が家のお客様も一段落、友人のルヴァン美術館に伺う。広大なお庭に次々に咲く高原植物はどれも個性的、来るたびに違う花々が咲きその種類の多さにも驚く。久しぶりに会う友人達とこの夏の出来事を語り合う。

 

 
 
 
お盆も終わり軽井沢も空きはじめ、久しぶりに旧道をゆっくり歩く。打ち合わせを兼ねてブティックを覗き、いつものベーカリーでコーヒータイム。皆さん口々に「この夏はすごかった!」と大盛況の様子、コロナの終息ももうすぐ。

 

 
 
別荘しまいをする友人も多く軽井沢の夏もそろそろ終わり。お喋りしているうちに美しい夕暮れを迎え、温かな光が灯るサロンが神秘的な森に浮かび上がる。

 

 
 
 
軽井沢から少し足を延ばして小諸の街へ。江戸時代、小諸藩の城下町であった小諸。明治4年の廃藩置県で廃城になった城を中心にした公園「小諸城址懐古園」を訪ねる。情緒あふれる高原の城下町、復元された街並みも美しい。

 

 
 
8月最後のお客様、彫刻家の友人が名古屋からいらっしゃる。韓国での展覧会の図録を拝見しつつアトリエのお話など、ご一緒の学生さんの作品ポートフォリオも興味深い。彫刻家としても先生としても充実したキャリアに大いに刺激される。

 

 
 
彫刻家の友人にすっかり刺激され新しい金属のパーツの試作。隅田川沿いに並ぶメッキや研磨の工場からは未だ開店休業の屋形船が見える。高い水位と風の匂い、台風が来る予感。

 

 
 
母が残した染色や木目込みの仕事道具を専門店にお返しに伺う。木目込み人形の教室で使って頂けたらこれほど嬉しい事はない。師範の先生にお人形の歴史や古代布の価値など、お話を伺うのも楽しい。

 

 
 
コロナの影響は未だに色濃く、カフェもヘアサロンも時短がそのまま閉店時間に。今までとはスケジュールの順番が違い、先に打ち合わせを終えてヘアサロンへ。ヴィンテージの雑誌を繰りながらバブルの80年代に思いを馳せる。

 

 
 
母の遺したお人形をアンティークのお人形専門家に見て頂く。日本人形学会なるものがある事を知り、お人形の世界の奥深さに驚く。母手製のお着物を着た「珠子」、彼女はいったいどのくらい昔に生まれたのだろうか?

 

 
 
diary index 遺された膨大な桐箱と押し絵のパーツ、一つ一つ丁寧に作られたパーツをモチーフごとに分ける。桐箱に並べてコンセプチュアルアートを作ったり、アクセサリーに仕立てるのも楽しそう。母の明るい雰囲気に包まれる午後・・・。 page top

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