２１歳でパリに行って以来、こんなに長く東京に居たのは初めて。とても充実したまとまった仕事が出来た事は大満足、そしてとても楽しかった。こんなに長い間飛行機に乗らなかった事もこの２０年では初めての体験。久しぶりにラウンジで東京の最後の連絡の電話など、懐かしいリズム。機内でお肉をチョイスすることはめったにないけれど、やっぱり恋しかったのか・・・、珍しくデザートまで頂く。

長い間パリを留守にしたので雑務の山にしばしボーゼン。一つ一つゆっくり片付けていかなければ・・・。パリに戻ってすぐは疲れているので香草とお野菜たっぷりのヴェトナミアンを頂く事に。彩りも美しくてとても和む。

フランスのクレープは小麦粉で焼く甘い味様のクレープと、そば粉で焼くガレットと呼ばれる塩味様のクレープがある。そば粉（サラザン）のクレープは焼いたものを売っているのでは簡単なランチにとても便利。クレープは薄くてデリケートなので、ハム、チーズ、パテと丁寧に並べてそぉっと包んでゆく。焼き上がりにバターをひと欠け落とし香ばしくカリカリにやけたクレープとトロトロの中身。ベイクドトマトとサラダを添えて。簡単でもゴキゲンなランチ！

パリでも最近夜はもっぱら我が家で。美味しい食材をシンプルに調理して、美味しいワインとチーズがあればもう大満足。ポークのフィレをさっとグリルしてバターとハチミツのソースを。ブルーチーズとの相性もぴったりでコクのある赤とのマッチングも良し・・・ついついワインが進む。

グルメの友人Ａ氏から、うやうやしく頂いたモリーユ茸を、オススメに従ってオムレツに。教わった通りにたっぷりのパセリとシャンピニオン・ドパリをゆっくりソテーして、卵の中に生クリーム、戻したモリーユ茸を丁寧に混ぜて、たっぷりのバターでそぉっと焼く。確かに・・・！トリュッフとまでは言わないけれどモリーユ茸の香りいっぱいの素晴らしいオムレツに感激する・・・。

メッツに出来たポンピドーセンターの別館を見に、朝早くに車でパリを出発。メッツまでは４時間くらいでちょうどランチの時間に美術館に到着。美術館のカフェテリアであまり期待もしないで頂いたら・・・。この地方らしいキャベツの煮込みを添えたソーセージが思いのほか美味しく、キャラフ（ピッチャー）で摂った赤ワインがまたコクが合って素晴らしく、美術館を見る前に既に大満足。

外で頂いて美味しかったものは必ず我が家でもう一度作って見る私。昨日のソーセージが美味しかったので、マルシェでポークとハーブのソーセージを見つけ早速レンズ豆を付け合わせに。マスタードをたっぷりつけてレンズ豆との相性もぴったり。シンプルにルコラ１種類だけのサラダ、チーズはお気に入りのエポワス。こういう組み合わせを考えるのもとても楽しい！

ヴェネチアでは朝食のサンドイッチがとても楽しみ。今回、珍しく初めて見つけたこのバール、小エビも蟹もたっぷり入っでジューシーな食感。朝からフリットを食べるヒトも居るけれど、私はもっぱら野菜のグリルやアンティチョークのフィリングのサンドイッチを頬張る！

私の作品を置いている、クイリーニ・スタンパリア美術館に行く。ランチはもちろん「ホーム」のこの店。オーナーの名前が「ＭＯＭＩ」というのを伺ったのはもう１５年以上前。リストランテも皆さんも変わらず続くお付き合い。アンティパストは私の好みを良くご存知で、シャコやポレンタ、鱈のクリーム、イタリアのアーティチョークのグリルなど。パスタはいつもトマトベースのシーフードと言うクラシック。美味しいのはもちろん、いつものテーブルで何だかとても和む・・・。

ヴェネチアからパリに帰るとやっぱり恋しいのはサラダとチーズ。いろいろなチーズを小さく切ってプチフールのように盛り合わせるのはカワイイくて楽しい。サラダはチーズと合うようにナッツをいろいろ入れて、アンディーヴに載せていただけるようにお野菜はそれぞれ細かく刻む。シンプルだけれどお喋りしながら頂くにはお気に入りのメニュウ。

東京から戻ってすぐにヴェネチアに行ったり、なかなかパリでゆっくり出来なかったので、 久しぶりに友人といつものイタリアンへ。アーティチョークとカラスミのアンティパスト、新しいメニュウの試食？マスカルポーネチーズのラヴィオリ、なすの ラザニア、とどれも相変わらず美味しい。何よりオーナーの心配りにほっとして、お喋りも楽しい・・・。