2022August

 

 
 
8月に入ると友人達も次々軽井沢に到着。久しぶりの再会は友人宅のテラスでスタート、大きく咲いた山ユリを眺めつつお茶をご一緒する。夏とはいえ寒い日のために暖炉にくべる薪を割るのも楽しい時間。

 

 

 
 
我が家のお庭に咲く高山植物、レンゲショウマ。ぼんぼりのような丸い蕾も可愛らしく透明な紫の花びらに朝露が眩しい。友人への手土産はレンゲショウマのブーケとフレッシュなスペアミント、軽井沢らしい小さな贈り物。

 

 

 
 
 
主人のゼミの卒業生から頂いたグラスはコロンとした形が可愛らしく、意外なほど手に馴染む。ワインはもちろんヨーグルトやミニサラダの器にもぴったり、ほぼ毎日テーブルに登場するお気に入りアイテムに。

 

 

 
 
西荻窪のアンティーク通りにあるフランス小物のブティックは小さな可愛らしいモノが並ぶ。毎年1月に食べるお菓子「ガレット・ド・ロワ」の中に入れる陶器のフェブのコレクションや棚いっぱいにディスプレイされたカフェオレボールなど、見ているだけで楽しい。

 

 

 
 
 
母がコレクションしていた昔の懐紙入れ、その細工と布地の美しさはオブジェのよう。専門家に見て頂くと作られた時代やその頃のお茶席の様子など、興味深いお話は尽きない。

 

 

 
 
父のお土産にもらったモンブランの限定モデル、リペアのためヴィンテージ筆記用具のお店に伺うとそのマニアックな品揃えに驚く。オリジナルのインクを調合したり、書き手の手クセに合わせたペン先の調節など、万年筆の世界は奥が深い。

 

 

 
 
私がパリに渡った翌年、1989年はフランス革命200年祭で盛り上がっていた。様々な記念グッズの中でもエルメスのティーシャツは一番のお気に入り、スカーフを纏うようなダイナミックなデザインが素晴らしい。ベルベットのジャケットに合わせて30年経った今も大切に着ている。

 

 

     
 
 
旧碓氷峠の見晴らし台で遠くに霞む山々を眺めていると、どこからともなくドローンが飛んでくる。大学生のグループが上空から自分たちを撮るためと聞いてびっくり。リモコン操作で驚くほど遠くまで全角度で撮影できるとか。

 

 

 
 
 
久しぶりに母の部屋をゆっくり整理する。母らしい個性的な小物は「いったいどこで買ったの?」と思うほど珍しいモノばかり。丁寧にお手入れして棚に並べるとユニークな母そのもの、まるで一緒にいるような温かで不思議な時間が過ぎる。

 

 

 
 
銀の燭台やイタリアのパネトーネの空き缶はアンティークやヴィンテージ好きな母らしくなかなかの年代物。ガーデニングのお供だったステンレスのジョウロや不思議な形の陶器たち、一つ一つに思い出が蘇る。

 

 

 
 
 
主人のゼミの学生さんと四国・瀬戸内をご一緒する。私の誕生日のお祝いに素敵なプレゼントと心温まる寄せ書きを頂き感激、瀬戸内レモンとオリーブオイル、トリエンナーレのハンカチを使う度に皆さんの事を思い出すでしょう。嬉しい誕生日になり感謝は尽きない。

 

 

 
 
小さなスィーツはアトリエのコーヒーブレイクにぴったり、ガラスのドームに入れてお客様にも。アーモンドチュイルやブルベリータルト、マカロンのように見えるのは海老のクラッカー。恭しいデザートより小さくてさっぱりしたモノが私好み。

 

 

 
 
 
母校にお勤めの友人からそのお庭になった梅で作ったジャムを頂く。高校生の頃、たわわに実った梅の木を見ながら励んだ部活の時間を思い出す。いつも素敵な贈り物を頂く友人に感謝しつつ朝のトーストにジャムをのせる。

 

 

 
 
 
母から引き継いだ洋服やバッグ、リアルな葡萄モチーフのブラウスは意外にもGUCCI。大きなルイ・ヴィトンのボストンはラフに使える優れモノ、ブランドをあまり好まなかった母が愛したグッズはそのデザインと機能の秀逸さ。

 

 

 
 
子供の頃から大切な日には両親の友人の作家のガラスや漆器でお祝いをした。リキュールグラスや小鉢、片口など個性的な色とカットはテーブルを華やかに彩ってくれる。今も大切なハレの日のお供。

 

 

 
 
 
祖母から引き継いだ大きな扇子、舞台の練習用だったようでところどころ綻びている。矢来町の能楽堂で祖母の舞台を初めて見た時の感激が蘇る。美しい桜の柄は飾る度に祖母を思い出す、春の訪れを告げる素敵なオブジェ。

 

 

 
 
 
汕頭は相良、蘇州に並ぶ中国三大刺繍の一つ、中国の感性にヨーロッパの刺繍技術が融合されて生まれたハンカチの芸術品。吸水性にも優れているのでハンカチとしても秀逸。丁寧にアイロンをかけ、母と旅した中国を思い出す。

 

 

 
 
手土産やちょっとしたお礼の品に添えるグリーティングカード、母の作品のハガキや手作りのカードにメッセージを手書きする。一言でも自筆のコメントは嬉しいモノ、小さな心遣いを大切にしたい。

 

 

 
 
母が残したお人形やコレクションしていた郷土玩具はどれも可愛らしく、作品のモチーフになっていたよう。土人形や一刀彫のお雛様、土鈴や鳩笛など一つ一つ専門家に見て頂く。お人形の世界は奥が深く、お話を伺うのも楽しい。

 

 

 
 
帽子好きだった母の愛用品、デッドストックの帽子スタンド。ネイルケアにはドイツ製のヴィンテージのケアセット、パーティー用のバッグは大叔母から譲り受けた白牡丹・・・、母が残した品々は本当にどれも本当に個性的。

 

 

 
 
漆の大きなおひつはお赤飯や栗ご飯に、蒔絵のブレスレットはパリに送ってくれた思い出のアクセサリー。鶴の柄の文箱は祖母から続く我が家のお手紙入れ、津軽塗のお盆は日本酒のお供に・・・。漆器の保管には湿度が大切、丁寧に磨き桐箱に収める静かな時間。

 

 

 
 
mono index 久しぶりにゆっくり片ずけモノにいそしんだ夏も終わり、丁寧に暮らす事の大切さを再認識。古い和紙の便箋やお人形、ヴィンテージの羽子板はフランス人の友人にプレゼント。祖母や母から引き継いだモノ、譲り受けたモノを大切に日々の生活に活かしたい。 page top

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