2009-2010

MEXICO

Mexico City

   
 
 
今年は極寒のヨーロッパを離れ、暖かいメキシコへ。緑・白・赤の国旗。緑は「独立」、白は「カトリック」、赤は「メキシコ人とスペイン人の統一を現すそう。中央に書かれた「蛇をくわえたワシがサボテンの上に止まっている図」はアステカ人の神話に基ずいている。

 

Mexico City

 
 
 
Paris からTokyoへ戻りLos Angelsを経由してMexico Cityへ。時差の関係で延々にクリスマスが続く・・・。Mexico Cityと日本の時差は15時間。Los Angelsから延々と続く砂漠地帯の上を飛ぶ。機内食のブリトーを頂きすっかりメキシコ気分になる。

 

Mexico City

 
 
 
長い長いクリスマスの一日。90%がカソリックという宗教国のメキシコ。道やホテルには聖書の一場面のお人形が。アメリカのニューメキシコ州にあるアメリカン・インディアンの聖地、タオス・プエブロに行った時にもこんなお人形がたくさんあった。独立記念塔(Monumento a la Independencia)は人々が集まり、通りの先にある巨大クリスマスツリーのイルミネーションを楽しんでいる。

 

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メキシコ最初の夜はクリスマスとあってどこも賑やか。でももう起きていられない?ホテルのデリで軽く頂く。おなじみのNachos(ナチョス)とアボカドのペーストGuacamore(グアカモーレ)にCoronaビール。そしてメキシコの代表料理とも言えるPollo en Mole(ポージョ・エン・モーレ)。唐辛子、木の実、チョコレートなどを使ったMoleソースは、複雑な味でくせになりそう!

 

Mexico City

 
 
一夜明けてみると、太陽がいっぱい!のメキシコ。先週までは太陽はおろか青空も見えない氷点下のパリに居たことが信じられない。
20世紀を代表する建築家の一人、ルイス・バラガンの自邸(Casa Luis Barragan)を訪ねる。1988年に逝去されるまで自身が40年の月日を過ごしたそう。バラガンの建築といえば、鮮やかな色、壁の構成の面白さ、水や土地の石など自然の要素を大胆に取り入れた様式で知られる。個人邸が世界遺産というのも驚くが・・・。
周りの家を見ても、外壁の鮮やかな色と木々の花の色、そして照りつける太陽の3要素がメキシコらしい印象を創っているように思う。バラガン邸はクリスマスでお休み。

 

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バラガンの代表作で、最後の作品となったヒラルディ邸(Casa Gilardi).バラガン建築の神髄とも言われる作品。私は普通の家がいいけれど・・・。

 

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バラガン自身がヒラルディ氏のために、鮮やかな色と光と水を計算してデザインしたというだけあって、本当にドラマティック。エントランスの床石はこの地方のもので冷ややかな歩行感が涼しさの演出になっている。

 

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黄色い光の差し込む廊下を抜けると「あっ」と思わず声を上げたくなるような、鮮やかな赤とブルーのコントラストを水面に移すプールが出現する。壁の白が強い光に反射して目を射るように強く、白、赤、ブルーのコントラストは圧巻。

 

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テラスに出ると、やはり鮮やかな紫とピンクに、サボテンの濃い緑が映えてまるで一枚の絵のよう。テラスから内部を覗くも、切り取られた空間は正にピクチャレスク。乾いた空気感の中で見るアートはどこか、アリゾナで見たジョージア・オキーフの絵を思い出させる。

 

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世界でも有数の規模と内容と言われる国立人類学博物館へ。
テオティワカン、マヤ、アステカ等の遺跡から集められた発掘品。驚く事に各地の遺跡の重要な壁画や石像は、現地の神殿内ではなく、ココに集められているそうで、この博物館と現地をともに訪れることで完結する。それにしても巨大なキャンチレバーの建築も壮大!

 

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先週まで氷点下のパリに居た私は、突然の灼熱の太陽で少々お疲れ気味。博物館の素敵なテラスで早めのランチを。
セシーナ・デ・コチニータ(Cecina de Cochinita)は、様々な唐辛子で漬け込んだメキシコ風の焼肉。スパイシーな味付けもとても美味しい。付け合せにサボテンのソテーも発見。ヌメヌメ下独特の食感でお味は??

 

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博物館の中は、考古学フロアが人類学入門、アメリカの起源、先古典期、テオティワカン文明、トルテカ文明、メヒカ(アステカ)文明、オアハカ地方、メキシコ湾岸、マヤ文明、西部、北部、と分かれており、2回が民族学フロアとなっている。とにかく、展示物も巨大でスケールの大きさに圧倒される。

 

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テオティワカン文明の巨大なケツァルコルトル神殿のレプリカや、月のピラミッドの前に建つ雨神チャルティトゥクリエの巨大像(オリジナル)など、テオティワカン文化の広がりガ良く理解できる。

 

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メヒカ(アステカ)文明の部屋には、エルナン・コルテスに征服される前のメキシコ・シティ、テノチティトランの復元模型があり、鳥瞰図を見るとかつてこの都市が湖に浮かぶ島であったことを知り驚く。

 

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メヒカ(アステカ)、Mexica(Azteca)文明と言うとこの太陽の石、アステカ・カレンダーが有名。
3.6mの円盤には中央の太陽神の周りに複雑なモチーフ が幾重にも巡らされている。太陽神の周りにある4つの四角形に囲まれた文様は宇宙が今まで経てきた4つの時代を示し、各時代ごとに新しい太陽が生まれ滅 び、そして現在は中央にある5番目の「太陽トナティウ」の時代であるという。暦は更に細かい文様の組み合わせにより、20日を一ヶ月とする1年18ヶ月に 分けられ、それに「空の5日間」をプラスして1年365日となる。
 
この永遠の時を刻むかのような記念碑はアステカ帝国崩壊後、メキシコ・シティ中央広場に捨てられたが、インディヘナの人々がこの聖石を礼拝する様子を見たメキシコの大司教の命令で地中に埋められてしまい、1790年に再び発見されたそう。
アステカ人の神秘的な宇宙観を表現している、太陽の石。

 

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ルイス・バラガン( Luis Barragan)のサテライト・タワー(Satelite Towers)。1957年〜58年に造られたメキシコ・シティの象徴的なモニュメント。首都の北西部、ケレタロ州境近くにそびえたつ。幹線道路の中洲に突如として現れる姿はなかなかシュール。後に車でメキシコ・シティに戻ってくると、遠くからこのタワーが見え、「帰ってきた」という感動があったり・・・。

 

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やはりルイス・バラガン(Louis Barragan)の作品、ベベデロ噴水(Fuente del Bebedero)を見に行く。鬱蒼とした木々の茂る公園内にあるが、今は水も張られていなくて、残念。

 

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スペイン征服軍の侵入以前、メキシコ市の大半は湖だったそうで、その面影を残す大きな水路が残って いるソチミルコ(Xochimilco)。メキシコ市民の憩いの場であり、借り切った手漕ぎの遊覧船ランチボックスを手に乗り込んだり、楽団、マリアッチ を乗せて水路へと繰り出すとか。

 

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ソチミルコに来たのは、スペイン人の建築家フェリックス・キャンデラ(Felix Candela)の作品を見るため。スペインからメキシコに亡命した氏の作品はメキシコに多く、HPシェルを用い、流れるような曲線や曲面の空間を作り出したことで有名。この作品はレストラン。残念ながらクリスマスでお休み。

 

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ソチミルコ(Xochimilco)のマーケットは、遊覧船で食べられるようなタコスや、色とりどりの刺繍のブラウスや陶器などが美しい・・・。クリスマス・ホリデーとあって、正にメキシコ市民の憩いの場、と言った感じ。見ているだけでも楽しい!

 

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長い長い灼熱の一日が終わる。
唐辛子にチーズを詰めて揚げた、なかなかヘビーなおつまみ(と言うにはすごい量だけれど・・・)、グリーントマトのソース(Salsa Verde)をかけたエンチラーダス(Enchiladas)。そしてもうおなじみのワカモーレ(Guacamole)。普段はあまりビールは好きでないけれど、メキシコのビールは軽くて美味しい。

 

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メキシコを代表するアーティストのカップル、フリーダ・カーロ(frida Kahro)とディエゴ・リベラ(Diego Rivera)。女流画家と壁画の巨匠の2人が1934年〜1940年まで暮らした住居兼アトリエ(Museo Casa Estudio Diego Rivera y Frida Kahlo)を見に行く。ディエゴ・リベラはココで息を引き取ったという。通りの名前が既にディエゴ・リベラ通り。巨大なサボテンに射るような太陽。ポインセチアもココでは「情熱の花」に見える。

 

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北側の大きな窓など、パリの14区にあるようなアトリエ建築を思い出させる建物も面白い。フランスのボルドーの郊外にあるコルビジェの作品、ぺサックの集合住宅を思い出す。

 

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一階の半分はギャラリーになっていて、2人の写真が展示されている。壁の色と、乾いた強い光、情熱的な2人の写真が不思議な空気感を作り出している。

 

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フリーダ・カーロのアトリエが生前そのままに保存されている。天高が高く、北側の大窓からの安定した採光の素晴らしいアトリエ。まるで今にもフリーダ・カーロが現れそう・・・。

 

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アーティストのアトリエはいつもとても興味深い。濃い色彩と、独特の構図、アトリエにある大きな鏡も印象的。

 

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ディエゴ・リベラの書斎。胸像の下の蔵書も興味深い。強い光が差し込むアトリエと、しっとりした少し陰のある書斎のコントラストは理想的。

 

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フリーダ・カーロの自伝を読むと、その情熱的な生き方そのものがアートだと思う。命を賭けても「描きたい」と思うその情熱。こういう「止むにやまれず」という情熱こそがアーティストを創るのだ・・・と。病床に伏しても絵筆を放さない。

 

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フリーダ・カーロ亡き後、夫のディエゴ・リベラによって彼女の短い生涯を保存すべく博物館とした私邸(Museo Frieda Kahlo)。青い壁の幾つもの棟に生い茂る植物と強い太陽。お庭だけでも既に一枚の絵のよう。

 

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博物館の中庭。壁に貝殻が象眼されている。鮮やかな青の壁とひんやりした石の中庭のコントラストがとても気持ちいい。

 

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フリーダ・カーロの作品のレプリカ。彼女自身が収集していた民間信仰のブリキ画のように、様々な素材をコラージュした独特なオブジェ。

 

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灼熱の太陽の下、クリスマスのお休みでごった返す広場を抜けて、旧市街にあるカフェ・デ・タクバ(Cafe de Tacuba)へ。フリーダ・カーロとディエゴ・リベラが結婚披露宴を開いたという、伝統的なメキシコ料理の老舗カフェ。大変な混雑と喧騒、そしてタイルや壁画、イコンのところ狭しと並ぶ内装。私たちには少し濃すぎるのでは・・・。

 

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ようやくメキシコのお料理にも慣れてきて、ポーションが大きいので一皿ずつで充分。おなじみのタコスと、「メキシコの4つの味」のようなお皿を。アボカドのワカモーレにタコス、お豆のペースト、そしてタマレス(Tamales)というトウモロコシの粉で鶏肉を巻いてトウモロコシの葉で包んで蒸したもの。古代マヤ伝来のお料理というけれど・・・コレがもう大変なボリュームと、穀物ばかりで「当分、トウモロコシの粉とその加工品はいいかも・・・」という心境になる!

 

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カフェ・デ・タクバの喧騒とボリュームにすっかりやられてしまい、一刻も早くホテルに帰りたい・・・が、旧市街はどの国も同じで車の乗り入れが難しい。市内唯一の大きな公園、アラメダ公園を抜けなければ車にたどり着けない。灼熱の太陽は更に強くなり、休日の出店の数々、売っているものも色彩も激しい・・・!

 

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出店の続く公園をようやく抜け、車まで後一息!ベニート・ファレス記念碑や、ベジャス・アルテス宮殿(Palacio Bellas Artes)、国立美術館(Museo nacional de Arte)も照り付ける太陽と喧騒で、もうどうでもいい・・・。

 

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どの国でも歴史的建造物が郵便局として使われている事は多いけれど、ここメキシコ・シティも同様。1800年頃の建物かしら?しばし、静かでひんやりした空間でクール・ダウンする私。

 

Mexico City

 
 
 
昼の喧騒にすっかりまいってしまった上、「もうトウモロコシ関係はいいかも・・・」と、アルゼンチン料理のディナーに。同じスペイン語圏ということもあり、メキシコにはアルゼンチン料理のお店も多い。疲れた時はシンプルなもの、というのは旅の鉄則。ポルトガルでも「干し鱈」にまいって、最後はグリルのお肉を頂いたっけ。付け合せの小玉ネギのようなものはメキシコの特産セボジータ(Cebollita)。炭火で焼くと甘くて絶品。

 

Mexico City

   
 
 
3時に起床、6時半のアエロ・メヒコ機でメリダ(Merida)へ。5時に空港に着くと、もう真昼のよう!パリのド・ゴール空港で朝イチバンの飛行機に乗る憂鬱に比べると、なんと言う勤勉なメキシコ人。ようやく明けてきた空ぬ向かっての離陸は本当に美しい。

 

Merida

   
 
 
メキシコ・シティからメリダまでは飛行機で2時間ほど。レンタカーもスムーズで、9時半にはホテルにチェックイン。ようやく朝食!メキシコ風オムレツはスパイシーでサルサ・メヒカーナ(Salsa Mexicana)をかけて頂くととても美味しい。

 

Merida

   
 
 
ここメリダ(Merida)から南へ80km、マヤ文明を代表する遺跡、ウシュマル(Uxmal)へと車で出発。途中の家々は、まるで「冒険ダン吉」に出て来そうな、バナナや椰子の生い茂る民家。

 

Merida

 
 

チチェン・イツァと並び称されるマヤ文明を代表する遺跡、ウシュマル(Uxmal)。この地に1世紀頃に創建され、雨の神チャックを強く崇拝し、遺跡の各神殿はこのチャック像で飾りたてられている。7世紀初頭のマヤ古典期に栄えたこの遺跡は、マヤの言葉でPurc、ユカタン半島中央の丘陵地帯のことを示す、プウク様式というマヤ文化の起源が色濃い建造物で知られる。

ウシュマルに着くと、まずこの巨大な「魔法使いのピラミッド」(Piramide del Adivino)が迎えてくれる。高さ38m、マヤ遺跡としては珍しい小判形の石組みで造られている。そしておびただしい数のチャック(雨神像)で飾られている。この地方はカルスト台地のため河川が全くなく、そのため雨乞いの神として崇拝されたそう。正面の尼僧院の階段はチャックの顔が頂上まで続き、圧巻。内部には4つの神殿が隠されている。8世紀から11世紀の300年の間に5つの神殿が順番に造られた。小人が一夜の内に造りあげたという伝説からこのように呼ばれる。

 

Merida

 
 
360度のジャングルを一望できるというグラン・ピラミッドに少しずつ近くなる。遺跡郡の中に身を置くと、人間の存在なんて小さなものだなぁ〜とパノラミックな気分になる。

 

Merida

 
 
上部にレリーフの施されている高さ32mの大神殿、グラン・ピラミッド(Gran Piramide)。遺跡の中で最も高い位置にあるので緑の地平線が見渡せる。豆粒のような黒いものが私。蹴上げが高くて実際に上ってみるとかなり怖い。途中一休みするのも幅がないのでこわい!ようやく緑の地平線へ!

 

Merida

   
 
 
ようやく頂上へ。密林の中に主要遺跡が浮かび上がる。急勾配で高さも高く登るのを躊躇した私も、やっぱり大満足!数年前にミャンマーの仏教遺跡、バガンを訪れた時も、および腰だった私。頂上の眺めに感動した事を思い出す。でも、こうして座っているのもかなりコワイ。

 

Merida

 
 
 
コワイ思いをしてようやく頂上に登った甲斐はあった。ウシュマルの遺跡は規模があまり大きくないので全貌が見渡せる。右に総督の宮殿(Palacio del Gobernador)、奥には尼僧院(Cuadrangulo de las Manjas)、亀の家(Casa de las Tortugas)も見える。

 

Merida

   
 
 
総督の宮殿から、尼僧院と魔法使いのピラミッドを望む。それにしても暑い・・・。

 

Merida

 
 
ウシュマルに残るこの総督の宮殿(Palacio del Gobernador)は、壮麗に飾られた外壁と建物中央に見事な大アーチを持つマヤ建築の中で最も調和の取れた建物の一つと言われる。東側正面にはプウク式装飾がぎっしり施されており、石造りの格子文様、雷文、チャックの顔など2万個以上切り石が使われているそう。強烈な太陽に照らされ、明暗の美しさをくっきりと浮かび上がらせている。焦げてしまいそうに暑い!

 

Merida

 
 
広大な中庭を4つの矩形の建物が取り囲む構成でそれぞれがたくさんの小部屋をもつことから尼僧院 (Cuadranguilo de las Monjas)と名付けられた。内部の天井はすべてプウクの特色である、マヤ・アーチで造られ、外壁は切石をはめ込んだモザイクと蛇神ククルカン、雨神 チャック等のレリーフが施されている。このククルカンの装飾はこの建造物がトルテカ文化の影響を受けている事を物語る。本当に美しい中庭・・・。

 

Merida

 
 
ウシュマルの遺跡を後に車で1時間ほど、ようやくメリダ(Merida)の戻ってくる。
マヤの遺跡が無数に散存するユカタン州の州都であるメリダ。日中は暑いので、夕暮れとともに州庁舎(Palacio de Gobierno)やカテドラル(Catedral)のあるソカロ(中央広場)に人々が繰り出してくる。かつてマヤ人にティホと呼ばれていたこの街は、1542年にフランシコ・モンテホの率い るスペイン軍に占領されて以来、内陸部の先住民族を制圧する基地として、また先住民に対するカトリック改宗の基地となった。このカテドラルは今でもユカタ ン半島最大のものでありローマ法王も訪れたという。フランシスコ・モンテホの家は今もカテドラル、州庁舎とともにソカロに存在する。メリダは黄熱病の研究で知られる野口英世が足跡を残した地であり、その活動の地であったオーラン病院には今も博士の銅像が建つ。

 

Merida

 
 
陽も暮れて来ると、ソカロに集まる人も本当に多くなり、露天も並びなんだかお祭りのよう。周辺は美しいコロニアル様式の建物が多く街並みは美しいけれど、にわかには信じられない「鳥」!!ソカロの緑も鬱蒼としてまるでジャングルにいるような上、会話が出来ないほどの鳥の鳴き声!写真のようにどこもかしこも「鳥、鳥、鳥」ヒッチ・コックの映画のよう・・・。露天に売っているシャツは、サボテンの繊維で出来ていると、おじさんの説明も鳥の声に気をとられて気もそぞろな私。

 

Merida

   
 
 
先週まで、氷点下のパリにいた私はホットワインで暖まっていたのに・・・。さすがにこの暑さではやはりビール。メキシコはビールの種類も豊富でなかなか美味しい。初めて訪れたマヤの遺跡、壮大な中にも細やかな装飾と、豊かな自然に包まれた神秘的な眺望、そして様々な時を経て現存している事にとても感動する。

 

Merida

   
 
 

毎日暑いのでとにかう午前中しか使えない。今日も4時起床。メリダから車で2時間半、マヤ文明の聖地とも言われるチチェン・イツァー(Chichen Itza)へ。8時過ぎに到着するもすでに大勢の人。

メソアメリカ南部の密林に栄えたマヤ文明。数々の都市の遺跡がこのユカタン半島に点在し ているが、このチェチェン・イツァーは200年以上にわたり、ユカタンにおける芸術、宗教、経済の中心であり、現代においても当時の栄華を彷彿とさせる壮 大な遺跡として世界中の人を魅了している。チチェン・イツァーとはマヤ人の言葉で「泉のほとりのイツァー人」という意味だそう。この都市が、ユカタン半島最大のセノテ(聖なる泉)を中心に繁栄した事からそう呼ばれるようになったと推察されている。遺跡群はマヤ独自の特徴が顕著な6世紀のマヤ古典期に属する「旧チチェン・イツァー」と、トルテカ文化と融合した10世紀以降の後古典期に属する「新チチェン・イツァー」に分けられている。古代のマヤ陣は暦によって定期的に遷都を行っていたのだ。10世紀になると再びマヤ人はココに都を築き、中央高原の覇権を握ったトルテカ人の影響が見られ、マヤ・トルテカ文明が生まれる。その後軍事国家に変貌し栄華を極めたこの都も、13世紀の初め、マヤパン族によって滅亡させられその長い歴史を閉じたという。

 

Merida

 
 
 
スペイン語で「城壁、城」という意味のエルカステージョ(El Castillo)と呼ばれる、チチェン・イツァーの求心的な神殿。9世紀初頭に完成したといわれ、高さ25m、9層の基壇を持つ、ピラミッド様式の神殿。四面の全てに階段あり、その階段の段数、基壇部の垂直面の浮き彫りの全てがマヤの農耕暦(ハラブ暦)、祭事暦(ツォルキン暦)を象徴するように建造されている。様々な仕掛けがあり、マヤの天文学、建築技術の高さが象徴的に示された神殿といえる。

 

Merida

 
 
 
まだ朝10時前だというのにこの空の青さ。あまりの太陽の強さについに日傘の私。球戯場の東壁に造られた小神殿にジャガー像が置かれている、ジャガーの神殿(Templo de los Jaguares)。森に住むジャガーはマヤ人にとって畏怖の対象であり強さのシンボルでもあったという。

 

Merida

 
 
 
全長が150mもある、メソアメリカ最大の球戯場。豊穣の神に祈りをささげる宗教儀式として球戯が行われた。選手の声が端から端まで届くように設計されているとかで、手を叩いてみるとソレが反響しマヤの石組みの技術レベルの高さが良く解る。抜けるような青空と壮大な遺跡に、しばし自分の存在の小ささを感じる・・・。

 

Merida

 
 
 
この球戯のルールは生ゴムのボールをこの石輪にくぐらせて競われた。聖なる儀式として球戯が行われ、その様子が内壁の基壇部分に記されている。

 

Merida

 
 
聖なる泉、セノテへと向かう道は、色とりどりの陶器や、メキシコらしい刺繍のブラウス、タピストリーなどを並べたお店がたくさん。まるで森のマーケットのようでとても楽しい!ひとつひとつとても丁寧に作られていて、つい欲しくなってしまう。

 

Merida

   
 
 
チチェン・イツァーの「聖なる泉」セノテ(Cenote Sagrado)は、ユカタン半島最大の規模でり、また神話に彩られた聖域。かつて生贄と共に様々な貢ぎ物も捧げられ、その調査時には多くの貴金属、南米 コロンビアやパナマからの渡来品など当時の交易状況のしのばれる品々も見つかった。写真では良くわからないのが残念だけれども、本当に引き込まれるような 深いエメラルド・グリーンの水面は、正に「聖なる」独特の雰囲気がある。

 

Merida

 
 
それにしても太陽がどんどん強くなり、日傘を通しても痛いような光。3層の基壇を持つ神殿の周辺を戦士の浮き彫りが施された石柱群が囲み「千本柱の神殿」とも呼ばれる。中央高原のトゥーラ遺跡に同じような神殿があるため、チチェン・イツァーとトルテカ文明の交流説も生まれた。

 

Merida

 
 
ここチチェン・イツァーの遺跡は規模も大きくて、本当に壮大・・・。正に「目を射るような太陽」に少し疲れて木陰でお休み。そんな時も、メキシコらしい手工芸品はつい見とれてしまう。森の木々がブティックなんてとても素敵。

 

Merida

 
 
市場の跡は、正に現代のマルシェを想像出来る形状。その時代にはどんな食べ物を食べていて、どのような野菜が売られていたのかしら?と思いを馳せるも・・・暑すぎる!

 

Merida

   
 
 
高僧の墳墓(Tumba del Gran Sacerdore)であるピラミッド状の建物。1985年にアメリカ領事がこの遺跡を発掘し、貴重な埋蔵品の数々も発見された。

 

Merida

   
 
 
トルテカ文化の影響を受けていない純粋なプウク様式のデザインでおびただしい数のチャック像が目に付く尼僧院(Casa de las Monjas).光の反射ガ強くてよく見えない。

 

Merida

   
 
 
お昼近くなってきていよいよの暑さ。古代マヤ人の天文台、カラコル(El Caracol)。カラコルは「カタツムリ」という意味。マヤ人たちは月、太陽、星の運行を肉眼で観察する事により、驚くほど正確な暦を作り上げていた。

 

Merida

 
 
壮大なチチェン・イツァーの遺跡をゆっくり見ることが出来たのも早朝だったから・・・。帰る頃にはもう灼熱!昔、アンコールワットを訪れた時、通訳の人が「4時50分にロビーで」と言ったことを思い出す。椰子のアイスクリーム、そしてメキシコらしい素敵なランチ。ソパ・デ・リマ(Sopa de Lima)は鶏肉とライムのスープ。トスターダス(Tostadas)は揚げたトルティージャの上にトマトやレタス、鶏肉が乗っている。ようやく一路メリダへ。

 

Merida

 
 
メリダは本当にコロニアル名雰囲気のある街。ヨーロッパ風の建物に、南国の木が生い茂っているので、とても不思議な感じ。母の育った中国のフランス租界を訪れた時のことを思い出す。

 

Merida

 
 
メリダ最後の夜はユカタン地方の郷土料理を頂く。ソパ・デ・リマと、コチニータ・ピビルはもうおなじみのスパイシーなポーク。ポージョ・アラ・ユカテカ(Pollo a la Yucateca)は香辛料でマリネしたユカタン風のチキン。各種サルサがそれぞれに味を引き立てあって、メキシコで初めて本当に美味しいと思った。

 

Merida

 
 
朝の飛行機はいつもとてもロマンティックで大好きだけれど、ココまで早いと、まだ深夜?今日も3時起床で6時半の飛行機でメキシコ・シティへ!

 

Guanajuato

 
 

メキシコ・シティーから車で5時間。中央高原の山並みの中に佇む中世都市、グアナファト(Guanajuato)へ。コロニアル都市としてそのピクチャレスクな風景は有名だけれど、車で入った私達にはこの地下道のインパクトはすごかった!グアナファトは18世紀には世界の約3分の1の銀を産出しており、その銀の坑道であったのだ。スペインのバルセロナで、アントニオ・ガウディ作の地下聖堂を訪ねた時のことを思い出す。本当に、そっくり・・・。

 

Guanajuato

 
 
 
早朝、いえ深夜にメリダを出て飛行機でメキシコ・シティー、そして車で5時間・・・と少し疲れていたけれど、あまりににインパクトのある到着で目も覚めるというもの!ホテルは可愛らしい、サンタフェを思わせる、ポサーダ・サンタフェ(Posada Santa Fe)。街はもうすっかり年末のお休みムードで、楽団がまわっていたり。タコスにビールがことのほか美味しい・・・。

 

Guanajuato

 
 
 
メキシコ建国期の大統領、ベニート・フアレスの名を冠した華麗な劇場。(Teatro Juarez)。メキシコでも屈指の美しさを誇るこの劇場、グアナファトの銀の富が生んだ代表的な建物。ヨーロッパ風の建物に生い茂る椰子の木、もようやく慣れてきた。

 

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少し疲れていたので夕方はホテルで過ごす。陽のあるうちはアメリカのサンタ・フェを思い出す雰囲気だけれど、陽が暮れてくるとスペインのパラドールを思い出すこのホテル。でも、正にそれがここメキシコなのかも知れない・・・。

 

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劇場のあるソカロにホテルが面しているので、ホテルのテラスで軽く頂く。ポソーレ(Pozole)は豚肉の濃厚なスープに大粒のトウモロコシが入ったスープ。スープにアボカドというのも驚くけれど、コレがこってりとしたスープと合ってとても美味しい。エストゥディアンティーナ(Estudiantine)と呼ばれる楽団はグアナファトの夜の名物。スペイン伝来のトゥナと呼ばれたもので中世スペインの学生服を着て愛の歌を奏でるとか。明日は大晦日とあって街の盛り上がりも最高潮、正装のエストゥディアンティーナに偶然遭遇。とても美しい、一瞬のスペクタクルのよう!

 

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グアナファトの街を歩いてみると、色とりどりの壁に彩られた路地が本当に可愛らしい。でも、ユネスコの世界遺産に登録されているのが、「ピクトレスクな景観」にあると言われても路地の中に居るとわからない・・・。

 

Guanajuato

 
 
 
独立戦争の英雄、若きインディヘナの坑夫ピピラの像をあおぐ、ピピラの丘へ。ケーブルカーで登ってゆくと、まるで絵画のような街並みがパノラミックに広がる。18世紀に世界の銀の4分の1を産出し、巨万の富がこの街に流れ込み、「メキシコで最も美しい街」をつくりあげた。景観が重んじられていて、信号やネオンもない。家々がまるでモザイクのように可愛らしく並び、いつまでも眺めていたい。

 

Guanajuato

 
 
 
ピクチャレスクな街の地下には、これまたパノラミックな坑道が張り巡らされている。古くからあった地下水路や銀坑道を現在も道路として使っており、昔風の石組みのアーチをカンテラ灯が照らす、趣のあるガソリンスタンドや、パーキング・・・。古くからあった地下水路や銀坑道を現在も道路として使っており、昔風の石組みのアーチをカンテラ灯が照らす、趣のあるガソリンスタンドや、パーキング・・・。街並みと坑道のコントラストがとても面白く、「同じ街」とは思えない。

 

Guanajuato

 
 
ディエゴ・リベラ(Diegorivera)はここ、グアナファトの出身。メキシコ壁画運動をシケイロス、オロスコとともに牽引した彼の生家、ディエゴ・リベラ博物館(Museo y Casa de Diego Rivera)。リベラ家の当時をそのまま伺わせる家具調度品、何より吹き抜けの美しい建物が素晴らしい。

 

Guanajuato

 
 
メキシコの風土に立脚した作風の壁画作家の生家というにはとてもクラシック。メキシコの歴史は「いつも壁画と共にあった」と言われるほど「壁画」つまり、物語性のある「絵巻物」のような「絵」。この運動は「文字が読めなくとも、歴史を理解できる」、また芸術に縁のない貧困層にも「見る」事で楽しく理解してもらうと言う啓蒙性もあったと言う。その文化的背景を考えると、おぼろげながらに、「この家で育ったあの画家」像が見えてくるような気がする。

 

Guanajuato

 
 
グアナファト時代の初期作品から、20歳でパリに留学し、ピカソやグリスらのキュビズム表現に影響を受けた時代の作品、またリヴェラに影響を受けた作家の展覧会も併設している。青い壁面にテラコッタの床、紫の壁面に白い階段、赤いけ上げ・・・。絵、以上に、強いコントラストの会場構成が印象的。

 

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どの国を訪れても、「市場」には庶民の生活を知るのにとても楽しいところ。スペイン統治時代の建物?と思われる巨大マーケットを訪ねる!

 

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市場に入るとまず目に付くのは、各種のハラペーニョ(Jalapeno)。つまり、唐辛子。赤いのを干したおなじみのはモチロン、フレッシュなグリーンのタイプがイチバン辛いとか!

 

Guanajuato

 
 
そして次は香辛料とハーブ、豆類。こうして市場を訪れると、メキシコの豊かな産物、そして食生活、さらには生活を楽しもうとする庶民のエネルギーを感じる。

 

Guanajuato

 
 
朝がまだ早かったので、市場内で朝食をとる人の姿も。なぜか私は同じスペイン語圏のバルセロナの市場を思い出す。それがメキシコなのかも?荷台にいっぱいのトウモロコシや、タマレスと言う古代マヤ時代から伝わるトウモロコシの粉の蒸し料理に使われる「皮」、そして枝豆のような食感のお豆など。本当に楽しい!

 

Guanajuato

 
 
市場の中は、素材もあれば、半調理品、カウンターで食べられるお店や、手工芸品と、盛りだくさん。市場で食べたりするのはあまり得意でない私はもっぱら、見る。そして手工芸品は・・・買う。カモテ(Camote)はサツマイモを黒砂糖とシナモンで味付けしたデザート。メキシコらしいお野菜はサルサの素。色とりどりのお人形たちは見ているだけでも可愛らしい!

 

Guanajuato

   
 
 
メキシコの旅もそろそろ終わり。美しい古都グアナファトを後に車で一路、メキシコ・シティーへ。途中のお店でケソ(Queso)、つまりメキシコのチーズなど。フランスやイタリアと違って、とにかく各種ハラペーニョ(jalapegno)をまぶしたものが多くて、辛そう!今日は大晦日。

 

Mexico City

 
 
グアナファトから車で4時間半。ようやく大晦日でごった返すメキシコ・シティーに帰ってくる。敬虔なカソリックのメキシコでは、クリスマスは宗教行事なので、このNew Yearは大変なお祭り。ベシャス・アルテス宮殿(Palaciso de Bellas Artes)や、壮大なファサードの国立宮殿(Palacio National)、メトロポリタン・カテドラル(Metropolitan Catrdral)。でも、正直、そんな観光をしている場合ではない!雰囲気。異様な数のポリスで、パリのシャンゼリゼの大晦日のよう!

 

Mexico City

   
 
 
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16世紀建造のサンテァゴ教会、その前にアステカ時代のトラテルコ遺跡(Tlatelco)、それらを取り囲むように現代的な高層団地が立つ事から「三文化」と呼ばれる。メキシコの歴史、そして辿ってきた道を象徴する文化遺産。大晦日の花火の準備の音、騒がしくなる街。大晦日の緊張感が高まる!そして・・・新年!
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